2ntブログ
M女性がSMを楽しみたい、もっとその世界を知りたいと思っても、なかなかその一歩を踏み出すことは難しいのではないでしょうか? そんな貴女のためのコミュニケーションブログです。

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2.麻美篇 (4) ふたりのホテル 後編
前回、麻美が自分の想いを告白しながら、オナニーで果てたところまでお話しました。今回はこの週末のことを最後までお話します。比較的、穏やかで、行為の描写は少なめです(笑)。その分、甘ったるいですが…安心してどうぞ。それとも…物足りないかな?(笑)

■タメグチ

彼女はオナニーでイッた後、息を整える間、グッタリとして僕の脚にしがみついていましたが、すぐに起き上がると、僕と目線を合わせないようにしていきなり抱きついてきました。

「恥ずかしい! 恥ずかしい! 恥ずかしい! 恥ずかしい!!」

と顔を上気させて、僕の胸に顔をうずめて、相変わらず目線を合わせません。

「わたし、いままでこんなことしたことないのに、男の人に迫って見せつけるようないやらしいことしたことないのに、どうして? 自分じゃないみたい、尚人様、なにかした? 麻美のこと、どうしたの?」

「うん。もちろんした。麻美の中にあるすごく淫らで妖艶な痴女みたいなところ、浅ましくて積極的な部分が表に出てくるように魔法をかけたんだよ(笑)」

と僕は嘯(うそぶ)きます。
「イヤン…。信じられない。そんなものないもん。そんな麻美いままでいなかったもん。私は従順でご主人様の命令にただ従うそんな奴隷なの…。そんなの違う」

「そうなの? 俺はすごく気に入ったのに…、残念だなぁ。じゃあそういうタイプは他で探すよ」

彼女は顔を上げ、さっきのように妖しく強く、それでいて甘えて媚びた顔をして僕を見つめていった。

「もう……、いじわる…。ダメ、もう尚人様は私だけのご主人様なの! それに尚人様言ってくれたじゃない。“俺もそれが望みだ”って…。私、それ聞いて、なんかもう胸がいっぱいで…、すごく幸せな気分になったのにぃ!。心も身体もいっぺんにイっちゃったの! バカぁ 尚人様のためならどんな女にだってなるから、そんな意地悪言わないで、麻美だけを愛して!」

(あっ なんかこのタメ口な感じ、すごくいい。やっぱり俺、この女たまらなく好きだ…)

彼女は僕に覆いかぶさるようにして、僕の唇を求めてきました。考えてみれば、麻美が僕に対してタメ口になったのは、この時が最初だったと思います。仕事のときも丁寧語、今日もここまではほとんど敬語、だんだん甘えた言葉と雰囲気が出てきたと思ったら、ついに、ここでタメ口に…。Sとしてそれが許せないなんてことはありません。それが僕には幸せだった。彼女との距離、信頼感、彼女のタメ口にはそれが感じられたのです。このとき、すでに彼女と僕の間には、“あうんの呼吸”で甘い恋人同士、SMにおける主従関係のスイッチのオンオフが何も言わないでもできるようになったと思いました。その証拠に、彼女とのこの濃厚なキスの後、僕はたまらなくなり

「麻美、欲しい。オマエを使わせろ!」

と言うと彼女は

「ハイ、尚人様うれしいです。どうか麻美を使ってください。麻美をもう一度、後ろから貫いてください」

と彼女はお尻を僕に向けて、四つんばいになり、自分の性器を僕に差し出しました。
彼女は、最初のうち、僕の命令に対していろいろ一生懸命応えていましたが、だんだん「アッアッアッアッ」という断続的な喘ぎ声しか出さなくなり、次第にそれもなくなり、気がつくと意識が飛んでしまいました。僕はそれを見届けると挿入をやめ、彼女をベッドに横たえタオルケットをかけると、一人でシャワールームへいきました。


■シャワータイム


シャワーを浴びた後、彼女のために浴槽にお湯を張り、部屋に戻ると彼女は起きていました。寝転がりながらタオルケットの包(くる)まって、幸せそうに僕を見ている彼女はすごくかわいらしかった。

「お湯溜めておいたよ。ゆっくり浸かっておいで。それから化粧も落としていいよ。ちゃんとクレンジングしないと大変だろ? ありがとうな… すごくセクシーだった。今度は麻美のスッピン見せてくれよ」

そういって僕は彼女の横に腰掛け、彼女の髪にキスをしました。

「恥ずかしい…。私どうなっちゃったの?」

彼女は知らない間に、僕がシャワーを浴びているのに気がつき、自分に何が起きたのかわかっていないようでした。

「ん? 憶えてないの? イクぅ~!って叫んだ後、なんかずっと黙ってたよ」

「イヤン。言わないで…。入れられた途端、軽くイッちゃって、それから3回ぐらいまでは憶えているんだけど… なんか、上がったまま降りてこられなくなっちゃって…そこから覚えてないの…」

「そっかぁ~ いわゆる イキッぱなしってやつか…」

「尚人様、すごいんだもん。私、癖になって、狂っちゃうかも…。もっと淫乱になっちゃったらどうしよう…」

「俺がすごいんじゃないよ。それだけ麻美がいままで妄想溜め込んでいたってことだろ? それが爆発したんだよ、きっと」

「もう…。違うもん。」

「いいから、シャワー浴びて、化粧落としておいで。その間になにかルームサービスでもとっておくから。それから…、これ。着替え。持ってないだろ?」

僕は紙袋を彼女に渡した。彼女はそれを開けて中身を出すと

「うわぁ~ キレイ、かわいい! でも尚人様の趣味じゃないんじゃ…」

中には、白いレースで縁取りされたミントグリーンのキャミソールとフレアパンツ、タンガのセットが入っていた。彼女が服を買いに出かけている間に、僕はアダルトショップ以外にも、ランジェリーショップに入って、彼女のオフ用の下着、というか部屋着として、このセットを買っておいた。

「オレンジと迷ったんだけど、6月だし、少し涼しげなほうがいいかなって思ってね。まあ趣味とかそいうことより、これはメリハリかな(笑)。気に入ってくれないかな?」

彼女は起き上がって僕を抱きしめると

「大好き! ありがとう。すごくうれしい。でも…、なんかいまさらスッピン見せるのなんか恥ずかしい…」

と言ってくれました。

「じゃあ、これから一生俺の前ではセクシーメイクでいてくれる…、いや、そんなことないよ。俺は絶対キミのスッピンも好きになるし、今はスッピンを見たい気分なんだよ。それにそのランジェリーにはそのほうがきっと合うよ。俺はもう十分、麻美のセクシーなところは堪能したから、今度はかわいい麻美を見せてくれよ」

“一生俺の前ではセクシーメイクでいてくれるんだな…”と言ったら、麻美なら本気でそうしそうな気がして、僕は急いで取り消し、余計な事まで喋ってしまった。

「愛しているわ…尚人様♪」

そういって彼女はにっこり笑ってキスをして、浴室へ行きました。

(なんで、前の男はこんないいオンナ手放せたんだろう…。俺なら絶対離さないのに…)

初々しくて、かわいくて、セクシーで、妖艶で、甘ったれてて、スタイルも顔もいい、しかも僕好みのM! 彼女を賛美する形容詞ならいくらでもあげられる…、そんな“いいオンナ”が何故いままでほとんど手付かずの状態で、僕の前に現れたのか、すごい不思議な気がしたのを今でも憶えています。

僕は麻美がゆっくりとバスに浸かっている間に、ルームサービスを頼みました。もうすでに0時を回っていて、ルームサービスで食べられるものは、大したものがありませんでした。ただ値段が2000円以上もするバカ高いカレーライス、サンドイッチそんなもんでした。それとコーヒーをポットで頼み、同時に朝食を10時に持ってきてもらうようにオーダーをしました。

小一時間はかかったでしょうか、彼女は本当にゆっくりとバスタブに浸かり、やっと出てきました。

「ごめんなさい。脚が伸ばせるお風呂なんて久しぶりで気持ちよくってちょっと寝ちゃったみたい…」

そこに現れたノーメイクの麻美は、僕が贈ったミントグリーンのキャミソールとフレアパンツを身につけ、洗い髪がキラキラと光って、さっきまでの妖艶さとは無縁のまだ若くて可愛さの残る女子大生のようでした。そしてちょっと気弱そうではかなげな感じに見えました。なのに僕が買ってきたキャミは、背が高く胸の大きな彼女にはちょっと小さかったのか、胸があたりが窮屈そうに尖がってオンナであることを強く主張している。そんなアンバランスさがあり、ちょっとドキドキさせられます。

「いいよ。疲れただろうし気持ちよかっただろ? キャミ気に入ってくれた? すごくかわいいよ、今の麻美」

「……。あんまり見ないで…恥ずかしい」

「さっきまでのほうが、恥ずかしいんじゃないの? それともああいう麻美のほうがもう今の自分にはふさわしいって思えるようになっちゃったのかい?」

「もう…。いじわる。………私、ほんとにかわいい? 子供っぽくてイヤじゃない?」

「うん。こっちにおいで。抱きしめたくなるよ。今の麻美はすごくかわいい。さっきまでの麻美と両方を好きなときに好きなだけ愛せるなんて俺は幸せだ」

彼女の手をとって自分のほうに引き寄せると、彼女はぼくに寄りかかりながら、まだ照れています。

「このミントグリーンのセット、すごく気に入ったの…。私、尚人様のかわいい奥さんになれるかなぁ…」

「甘ったるくてかわいい妻で、超セクシーな美女妻で、ホントは奴隷妻なんだろ? 自分で言ったんだぞ?(笑)」

「……なんか、嘘みたいね、私達。」

僕はこの短い麻美の言葉に深い共感を覚えました。本当に…、なんか嘘みたいでした。冷静に考えてみるとどこかに落とし穴が開いているようなそんな怖さすら感じます。

「うん。でも、もう俺は麻美を離さない。……っていうか離れられないや」

僕は、自分の言った言葉にいまさら照れて、また余計な一言を加えてしまいました。


■ピロートーク


僕達はふたりとも、軽くカレーとサンドイッチを口にしましたが、なんていうかお腹は空いているはずなのに、あまり食欲がありません。ひとつのカレーとサンドイッチをふたりで分けても、結局半分も食べないうちに、もう食べなくなりました。

ふたりは、ベッドで横になり、なんとなくテレビを見たりしたものの、結局すぐ消して、ただ抱き合ってキスをしたり、ジャレあったりしながら過ごしていましたが、それにも飽きたころ、麻美がいいました。

「なにか、お話して…。今日、麻美ばっかり話してる。尚人様のこともっと教えて欲しい…」

甘ったれた声で、彼女が聞いてきます。オンナっていうのは、どうしてこういうとき、男がなんかうまい具合に話ができるって思うんでしょうか!? 落語家や芸人じゃあるまいし、そんな急に言われて気の利いたことなんか、言える訳がない。

「俺の何が聞きたい? どんなことを知りたい?」

「う~ん、じゃあ…。尚人様はどうして、そんなに着る物とか下着とかにこだわるの?」

「いやだったのか?」

「ううん! そんなことない。恥ずかしかったけど…、尚人様の喜ぶもの着たいってすごく思ったし、着てる物ですごく気分も変わるし、これからも尚人様の喜ぶようなオンナでいたいって思うから…。だから教えて欲しいの…」

「そっかぁ… うれしいよ。ありがとう。確かに自分でもなんでこんなにこだわるんだろうってずっと考えてた。そうしたら、ちょっと前に答えがわかったよ」

ありがたい。この話題なら、いくらでも話はできる。それを麻美が喜んで面白がって聞いてくれるかどうかはわからないが…。そんな風に思いながら、僕は自分の中のフェティッシュな嗜好について語り始めた。

「それはね…。僕の想像力が乏しいから…(笑)」

「えっ!?」
「そう言われたよ…」
「えっ、えっ? 誰に? 前の彼女?」
「あははは 彼女が元カノだったら最高だね。ジョディ・フォスター」
「えっ~!? どういうこと?」

「何年か前、『ハートに火をつけて』っていうデニス・ホッパーが主演と監督を務めた映画を見たんだ。デニス・ホッパーらしいセンスはすごい感じるんだけど、まあストーリーはありがちなものでさ…。殺人現場を目撃したジョディ・フォスターに組織が殺し屋を送り込むわけ。ジョディはいろいろアメリカ中隠れて暮らすんだけど、デニス・ホッパー演じる殺し屋に見つかる。デニス・ホッパーはジョディを見つけて捕まえたんだけど、彼女に惚れちゃって、彼女を無理矢理、連れて逃げるみたいな話。

その逃げ回っているときに、デニス・ホッパーがさ、ほとんど無理矢理、いいなり状態にしているジョディ・フォスターに紙袋を投げて命令するんだ。

『これを着ろ!』

ってね。その紙袋の中には、まあセクシーランジェリーが入っているわけ。たしか黒のレースとかのブラとショーツとガータベルトとストッキング。俺に言わせりゃありがちなセクシーさなんだけどね(笑)。それをあのジョディ・フォスターがスクリーンで着替えてくれるんだよ! まあちょっとうれしかった。そんなときに着替えながら、彼女は、ちょっと蔑んだような、でもどっか愛情があるようなそんな雰囲気で男に向かって言ったんだよ…。

『想像力が乏しいのね…』

なんか自分に言われている様な気がした。まあ、その時は、んん? って感じで意味がよく解らなかったんだけど、この言葉がずっと気になっていて、ある日、なんとなく悟ったんだよ。そっか俺は想像力が乏しいんだってね」

けっこう麻美は面白がって話を聞いてくれた。まあ掴みはOK!って感じでしょうか…(笑)。

「へぇ~! おもしろい。でも麻美もわかんない。どういうこと?」

「うん。ココからは映画の解釈じゃなくて、まあこの言葉と僕のフェティッシュな性癖の関係ってことになるんだけど…。僕は基本、女の裸に興味がないし、オールヌードで前に立たれてもなんにも興奮しない。麻美みたいな完璧なプロポーションのオンナの前で申し訳ないけど、たぶんそれだけじゃ興奮しない…」

「え~っ…そうなの? そういえば尚人様まだ、ほとんど麻美の裸ちゃんと見てない…」


今なら、やばい! 一発ここでフォロー入れとけ! 褒めとけ!って思うんだけど、なにせこの頃は僕もまだ30代前半、そんな完璧なフォローはできませんでした(笑)。

「そういえばそうだな。ヌードってなんにも語りかけてこないんだよな。というかいやらしい感じがしない。う~ん、性的な匂いがしないってことかな。その女性そのものって感じじゃない? だからかな。その人本人が持ってるすべてがそこにあったとしてそれをリスペクトすることはあっても、それはべつにいやらしいことじゃないだろ? だからだと思う」

「・・・・・・」

尚人! やめとけ! 彼女は今、そんな説明が聞きたいんじゃない!

「ん? 説明わかりにくいかな…。たとえば僕はAVとか見てても、前半、服とか下着とかつけたまま、エッチになだれ込んで行く所はすごく興奮するんだけど、後半、全裸になってただSEXしているところは、もう興味なくなってしまうみたいな…」

「尚人様は麻美の身体に興味ないの? 麻美の身体、愛してくれないの?」

「へ?」

あ~あ。結局、麻美は話のさして重要でもない導入のある一点にこだわって、話を進めさせてくれませんでした。

「じゃあ尚人様は、私がこれから毎日、寝る前にポテチとおにぎり食べてぶよぶよの身体になってもエッチな服着ていればそれで興奮してくれるの? じゃあこれから私、毎日ドカ食いしよっと。麻美、プロポーションは自慢なのに…、本当は自信あって尚人様に喜んでもらえるって思ったのに…。もう、そんな必要ないもんね」

あちゃ~…。もうフォローしないわけにはいきません。こうなってしまえばSもMもないです。いくらMでも女としてのプライドも自信も麻美にはあります。そう…、初めて会話したパーティで謙遜したことを言っていても、実は自信があった。彼女にはそれなりの自信とそれを実証できるだけの容姿が備わっている女性なのです。

「あっ…。いや…。それはイヤだ。許して。その素敵な身体のままでいて欲しい…。俺が悪かった。言い方が不十分だった。麻美の身体、ほんとキレイで素敵だ。初めて話した時にも言ったろ? 言ったよね? さっき麻美言ってたもんな? な? 俺はそれをすごい幸せなことだと思ってるし、見とれちゃうよ。いやホント、身体だけじゃないけど、麻美の身体をすごく愛してる。お願いだから、ずっとそのままキレイな身体で俺をドキドキさせてほしい…。ほんとゴメン」

「……尚人様、かわいい♪」

ふ~っ。ついにカワイイ呼ばわり…。完璧に遊ばれてます。イタズラっぽい、勝ち誇ったような目で、彼女は僕を見つめています。ハイハイ…、私がバカでした。Sだからといって女を見くびったことを言えば、こうやってしっぺ返しを喰らうことになる…わかってます。機嫌を直したというか、聞きたいことが聞けたという満足感からか、麻美は、そんな僕の気持ちを察して、やさしい言葉をかけてくれます。

「麻美は、尚人様のために、もっともっとキレイになりたい。結婚式までに、いっぱい尚人様に愛されてオッパイのサイズも大きくなりたいし、ウエストももっと絞りたいの…。そして、尚人様をドキドキさせて喜んで頂きたいです。尚人さまぁ~、麻美の身体愛してください…。麻美は尚人様のためにずっとナイスバディのエッチな身体でいますから…」

「うん、ずっとキレイでいて欲しい。ありがとう…」

「ごめんなさい…。お話続き聞かせて?」

「うん」

まあ、いいように操られているような気もしなくはないのですが、それもまたコミュニケーション、恋愛、そしてSMという気もします。所詮ヘタレSです。



■コスプレ・衣装系フェティズム、羞恥プレイのしくみ


「何かを身につける、身に纏うっていうのは、そのなにも主張していない身体に、ある意味、主張とか意志を付加するようなものなのかな…って思うんだよ。セクシーな下着を着れば、『私はセクシーな女です。今、すごくセクシーな気分です』とかね。すごく下品でいやらしい派手な下着を身に着ければ『私は、すごいいやらしい淫乱女です』みたいに。アウターも同じ。ファッション業界の標語みたいだけど、“着る物はその人の個性を表す”っていうじゃん。今日、麻美が着ていたミニスカートやガータやアンクルストラップのパンプスなんていうのも『私はMです。気付いて下さい』って主張してたし、俺のために着ていた格好は『私はいやらしい自分を見られるのが大好きな淫乱なドMです!そんな私をみんな見て! 私それで感じるの!』って主張していた(笑)」

「イヤン。尚人様が命令ししたから…着たの…。恥ずかしい。麻美、そんないやらしい主張してないもん」

「それは聞き捨てならないな…。麻美、ちゃんと答えなさい。麻美はどうしてあの服を選んで着たんだ? 言ってごらん」

僕もSとしてやられっぱなしでいる訳にはいかない。彼女の両乳首をいきなりつまんで、きつい目と命令口調で麻美のスイッチを強制的に入れた。

「ああ~。ごめんなさい。麻美は尚人様好みの奴隷になりたくて、いやらしい自分を見られたくて、はしたない娼婦のような下品な自分を見せつけて街を歩いていましたぁ~。そしてそれに感じて奴隷汁を垂らしながら尚人様の元へ急いだんです。尚人様好みに変わった麻美を見ていただきたかったの~ あああん」

「ま、そうだよな。つまり、ああいう格好をするってことは、その服が持っている主張を、そのまま着ている人の意志として強制的に主張させられるってことだよ。そして僕は命令によってそれを強要する。そんなふうに頭の中の回路が巡って二重に支配欲や征服欲を刺激されるわけ。そしてそれを強要されたM女も同じように、自分の中のMを刺激され興奮する。今の麻美みたいにね(笑)」

わざと敢えて、スイッチの入った彼女を無視して、それまでの会話のトーンにすぐ戻し話を続けます。麻美は僕がしれっと話を続けていることに恥ずかしくなったのか、無言で僕の胸を何回もグーパンチしてから、言いました。

「もう…いじわる。尚人様のバカァ…。麻美の心、もう…。尚人様の虜(とりこ)です。あんまり、いじめないで。 大好きです…」

しおらしく、M女らしい、そしてカワイイ恋人らしい彼女の抗議と告白に、僕は大満足で、彼女の髪を撫で、やさしくキスをしました。

「結局、SMって身体が直接反応するっていうより、頭でするセックスみたいなところがあるから、服とか下着とか、そういう触媒を使って身体を反応させていく…、なんてところがあるのかなぁ~ってね。そうじゃないと身体が反応しない、つまり“想像力が乏しい”ってこと。結局、緊縛やロウソクもそれと同じかもしれないね。本来快楽とは無縁の羞恥や痛みを強制的に道具を使って快楽にしていく。痛みや羞恥と快楽をつなげる回路を頭と身体に作っていくって意味では。…まあ、これはあくまでも僕の考えだけど」

「そっかぁ…。私、ちょっと解る気がする。麻美はこれから尚人様のためにいっぱいいろんな服とか下着を着るのね? すごくそれ幸せな気分よ。ああ尚人様こんなの着たら喜んでくれるかなぁ…って。いままでそんなオシャレとか興味なくて、ただ雑誌見て、先輩の格好見て、こういう服を着ればいいんだって思ってたところあるけど、これから私、尚人様のためにオシャレになるし、いっぱいエッチな格好もしたい!」

「いいのかなぁ~、そんなこと言って。まあ、あとで嫌がってもさせちゃうけどね(笑)」

「……。どんな格好させたいの?」

「いろいろあるよ。ボディコンも着せたいし、チャイナドレスも着せたいし、ボンデージも着させたいし、今日みたいな格好もさせたい。レオタードとか水着とか、ベリーダンサーみたいな格好もいいなぁ…、アンミラとかブロバの制服もいいな、あとメイド服とか、セクシーなお水系のドレスやスーツもいいなぁ…。下着だったらコルセットやGスト、スリーインワン、シルクサテンのガウンやキャミ、ベビードール…」

「アハハハハハ…ほんとに幾らでも出てくるのね(笑)。メイド服ってなに?」

PVCmaid.jpg こんな感じをイメージしてもらうといいかな


当時はまだメイドブームなんてものはなく、メイド喫茶もなければ、日本製のメイド服なんてものもまだ作られていなかった。ボンデージの一種として、PVCなどで作られた輸入物の露出部分の多いセクシー系のメイドコスチュームが主流だった。

「メイドはわかるよね。ご主人様にお仕えしますって感じの黒のエナメルのトップとミニスカートに小さな白いエプロンとカチューシャをつけたエッチな格好。だからただ使用人として働くんじゃなくて、「いつでも自由に犯してください。当然、夜伽(よとぎ)もさせていただきます」みたいな主張を感じさせるわけさ」

「夜伽…。なんかいい響き…。尚人様…、今夜、夜伽のお相手をさせていただく麻美でございます…。なんか素敵。着たい…。エッチなメイド服着てお仕えしたい…」

麻美の妄想癖のスイッチが入ったみたいだった。ちょっと目をトロンとさせて、自分のボンデージ風メイド服姿を頭に描いているようだった。

「うん。じゃあ今度買いに行くか…。五反田にいいボンデージショップがあるんだよ」

「うん。早くお仕えさせてくださいね? 尚人様♪ …あれ? そういえばセーラー服とか言わなかったね。セーラー服は違うの? 私、高校ブレザーだったからちょっと着てみたいかも♪」

「ああ~。セーラー服ね。女子高生の格好ってそれだけじゃなんの主張も感じないんだよね。基本、誰でも女の子は高校生になるわけじゃん。ただ…、それを25歳の麻美が着るってことになると話は変わってくるわけ。そこにすごく淫靡なものが乗っかって違う主張を感じるみたいな…」

麻美と僕は、そんな風に自分達の嗜好を会話ですりあわせながら、これからのふたりの甘い生活を夢見て話をした。気がつけば時間はもう2時を過ぎていて、さすがに眠くなったのか、麻美は僕に抱きついたまま、胸の中で寝てしまった。


■麻美の中の6人の麻美


僕は15分ほど麻美に胸を貸し、それにつきあってから、彼女が小さな寝息を立てていることを確認して、起こさないようにそっとベッドを抜け出して、窓際のソファにすわり、冷めたコーヒーをウォーマーで温めなおしてそれを飲みました。

眠れませんでした。いろんなことが頭を巡ってしまって…。そのひとつは…、読んでる人、気付いていたかな…「俺、まだ今日、一度もイってないんだけどなぁ…」というどうでもいいこと(笑)。そして今日の奇跡のような出逢いとこれまでの出来事。中でも一番、心を占めたのは、麻美の変化です。

いったい今日、何人の麻美に会っただろう…。そんな風に考えてみる。

 ●仕事の打ち合わせの時や普段の“できる女”“いいオンナ”の麻美
 ●ふたりでバーにいたときのM女アピールをしていた麻美
 ●僕に命令されM奴隷の気分に浸りきっていた麻美
 ●甘えたり、すねたり女を強く主張してくる感じの媚びた麻美
 ●とんでもないくらい妖艶で相手を奮い立たせるようなセクシーな麻美
 ●ずっと前から一緒に居たような信頼感を感じさせる恋人(パートナー)としての麻美


そのどれもが魅力的で、可愛らしく、愛しかった。今まで溜め込んできた強烈なM的な妄想を麻美は今日、はじめて一気に爆発させ自分を解放した。そのことで逆にある種の満足感、解放感が生まれ、彼女の持っている本来のノーマルなちょっと甘めな恋愛体質の部分が顔を覗かせてきたのかもしれない。それが、“できる女”だったり“いいオンナ”の麻美で、信頼できる恋人(パートナー)としての麻美なのかな…と思いました。それが本来の彼女のデフォルトの女としてのポジション、そして僕がS性を発揮すると、そこから大きくM的な方に振れ、奴隷的なことに喜びを感じる麻美になり、僕がやさしく愛情を示せば、甘えたり、すねたりと女の部分を強くだした僕に媚びた麻美になる。そこまではなんとなく理解できました。ふたりが相手に対して持っている愛情によって、それが自由に抵抗なく切り替わり、好きなだけ相手に発揮できる。それはとても幸せなことだなと感じました。

もうひとつ、解ったことがありました。自分もそういうところがあるので余計に強く感じたのですが、彼女は身体を密着されるのに弱い。僕が抱きしめたり、身体をくっつけていると、途端に甘ったるい媚びた感じの麻美が顔を覗かせます。

「なるほどね…♪」

僕は、ちょっといやらしく笑っていたかもしれません。彼女のコントロール方法がわかったと思いました。僕はすべての麻美を気に入っていたし、どの麻美ともこれからずっと愛し合っていきたいと思っていたので、彼女とどう付き合っていけば、それが可能になるか、もっと言えばどう彼女に接していけば、ふたりは幸せに暮らしていけるのか、それを考えていたのです。

「それにしても…、あれはいったい…」

そんなコントロールの範囲外の麻美も僕は知ってしまいました。あのオナニーを命令した時のすさまじい色香を放ち、とんでもなく妖艶な女に変貌した麻美は何なんだろう。麻美本人すら驚いていた…何かが乗り移った様な妖艶さ。僕の行動のなにがトリガーとなって現れたのか、彼女の中にいつからあんな“オンナ”がいたのか…、まったく分析も考察もできませんでした。

「あの麻美、もっと見たい… どうすれば“彼女”をモノにできるだろう…」

僕は女性が色気の奥深さというか、女性が隠し持っているその娼婦性の凄まじさを思わずにはいられませんでした。そして…、それを思い出しただけで勃起してしまった。

「もうすこし、ガマンな…。明日は絶対、楽にしてやる…」

と僕は相棒をなだめて、幸せそうに眠る彼女の元に戻って明かりを消しました。


■朝のノーマルセックス


朝、僕は彼女の視線で目を覚ましました。目を開けた途端、目に飛び込んできたのは、幸せそうな彼女の顔でした。

「あっ…。やっと起きた。ずっと尚人様、起きて!って念じてたの おはよう♪」

僕は彼女を抱きしめ、朝のひと言目からかわいいことを言う恋人を愛(いつく)しみました。時計を見るとまだ朝9時前、ルームサービスが届くまでにはまだ時間がありました。
毛布を捲ると、そこには、昨日彼女に贈ったミントグリーンのキャミソールとフレアパンツ姿のかわいい麻美がいました。窓から朝の日差しが彼女を照らして、彼女の清楚さや初々しさがいっそう際立っています。昨日の夜の麻美とは全く違います。この下着のセットはこういう日差しの中でこそ、彼女を引き立てます。僕はすごく幸せな気分で目覚めました。

「このギャップがたまんないんだよな…」

僕は彼女にはたぶん、意味不明なことを実際に声に出しながら、彼女に覆いかぶさり、彼女を見下ろして

「麻美、オマエは俺のM奴隷の麻美か? 恋人の麻美か? どっちだ?」

と強い口調で言いました。

「私は、その両方でいられる幸せな女です。でもそんな風にされると、私の中の奴隷の血が疼いて、奴隷になっちゃいます。ああ、尚人様…」

僕は口調を和らげ、やさしくキスをして彼女に言いました。

「麻美、これからオマエを普通に抱くよ。麻美は自分がノーマルなセックスでは感じないって思っているかもしれないけど、絶対そんなことはない。俺を信じろ。今から俺のとびっきりの愛情を見せてやる。俺達はこれからいっぱいいろんなSMプレイすることになるだろう。その中で俺は麻美を奴隷として扱い、Mの麻美でも時には辛くて悲しい想いをするかもしれない。でも、そんなときは今日のことを思い出せ。俺がどれだけ麻美のことを愛しているか、やさしい気持ちに溢れているか、それをこれから見せてやる。いっぱい俺の心と身体を感じてくれ…」

「麻美、俺はオマエを愛している…。」


「ハイ、麻美も尚人様を愛してます。もう…幸せで泣きたい」

「尚人でいいよ」

「……無理です。恋人でもご主人様でもどっちのときでも、私にとっては尚人様は尚人様です。そう呼ばさせて下さい…。ちゃんと恋人もしますから… それだけはお願いです」

「…わかった」

ちょっとだけ複雑な想いが僕にはありました。普段からずっと様付けで呼ばれるというのはS冥利に尽きるわけで、それは確かに僕の中にある自分のS性を強く刺激するものでしたし、麻美のようにいいオンナがそれをしてくれるということに支配欲、征服欲が満たされるものを感じます。ですが、同時にそれは、自分がいつもSであるということを突きつけられ、プレッシャーになるわけで、自分が麻美に甘えたいときですらSであることを強いられるのではないか…そんなことも感じたわけです。しかしこれは危惧に終わりました。彼女はその後、確かにずっと“尚人様”と僕を呼びましたが、そのトーンは様々で、甘い恋人としての呼び方もあれば、奴隷として切なく従属することを願う呼び方もあり、どちらの場合でも僕はそれぞれの幸せを感じることができました。

僕は彼女の身体をくまなく愛撫し、彼女を甘い官能の世界へ導きました。やさしく囁き、唇を重ね、その見事な身体を賛美しました。彼女もそれに答え、僕を求め甘い愛の言葉を返してきます。彼女のクレバスはもうすっかり濡れていて、そこをやさしく指で愛撫し、彼女の反応を見ます。そして身体を起こし、彼女のヴァギナとクリトリスに口を添えちょっと大きめなクリトリスを口に含んで舌で転がします。

「あっ… 恥ずかしい… イッちゃう…」
「いいよ。いっぱい感じて… 自分の手で僕の頭を押し付けるようにするんだ」
「そんな… でも… もっとして!」

彼女は言われたとおり僕の頭を自分の陰部に押し付け、より強く快感をむさぼります。

「ああ、イクッ! 尚人様、イキます!ああ~。尚人様…来て! 私の中に早く来て!私を感じて!」

僕は珍しく、じらすことなく彼女の求めに応じて、彼女の中に入りました。考えてみれば正常位でするのは初めてでした。

「麻美、俺の首に両手をまわして抱きしめてくれ」

僕は彼女との一体感が欲しくて、彼女にそう頼みました。彼女は求めに応じて、僕の首と頭を抱きかかえ、その手の動きで、彼女の気持ちと身体の反応を感じることができ、僕は幸せを感じました。

これは余談ですが、僕ははじめの女性を抱くとき、つまり一回目、あるいは一日目はなかなかイケないです。どうもまだヴァギナとペニスが馴染まないというか、意外と僕が緊張しているのか…、射精感を高めていくことが難しい。他の男性がどうなのかは全くわからないですが、僕はこれまでの経験で、相手が玄人だろうが素人だろうが、最初はなかなかイけません。あきらめてしまうことも多いです。まあ…、相手が玄人の場合、金がもったいないですから、それなりにがんばることもありますが…。

昨日、彼女をバックから激しく突いたときも、射精感は襲ってきませんでした。別に無理にガマンしていたわけじゃないわけです。このときもまだそうでした。イキたい気持ちはあるのに、どうしてもペニスのほうが、それを認めない…そんな状態なわけです。別に自分が遅漏であるとか、長持ちするという自慢ではないです(笑)。馴染んでしまうと、自分でも呆気ないくらい簡単に射精感が襲ってきて、「あっ ごめん。タンマ!」といって抜いちゃうこともあるくらいです。この辺が男の不思議なところです(笑)。

彼女は何度もイキました。僕は疲れて一旦、中断しましたが、回復すると今度は、彼女を上にさせます。正直楽がしたかった。

「麻美、上に来い」

「したことない…。どうすればいいの」

僕は仰向けに寝転がり、彼女をその上に寝かせると

「自分で、入れるんだ…。そして腰を自分が気持ちよくなるように動かしてごらん」

と指示しました。彼女は恐る恐る僕のペニスを握るとその上に腰を下ろし

「ああ!! ダメ!またきちゃう! 奥に、奥にあたる! 気持ちいい!! すごくいい!」

とすぐに感じて腰を自分で振り始めました。僕も自分で腰を激しく動かしましたが、彼女のその様子と顔が、あまりにもセクシーで妖艶だったため、だんだんと、そしてやっと射精感がでてきました。僕は腰を振る彼女の股間に指を添え、クリトリスを触ります。指を動かさなくても、腰を振り続けている彼女は自然とクリトリスを指にこすりつけていく感じになります。

「ああ~ 尚人様ダメ~ そんなことされたら 麻美狂っちゃう!! 気持ちいい!! また来る!! 大きいのが来る! ああもう、またイっちゃう!! イキッぱなしになっちゃう!!」

「麻美、俺もイキそうだ…」

「うれしい! 尚人様 イって! 私でイッて! 私を使って! 中に、中にちょうだい!!」

「麻美、愛してる…、一緒にいこう」


■ふたりの週末


僕の上に乗っかったまま、しばらく動くこともできない彼女をそのままにして、僕は麻美の重さを感じていました。人の重さがすごく心地よく、心に染みてきます。化粧ッ気のない麻美の乱れた髪は、それはそれで色っぽい感じでしたが、自分がこれからずっと一緒にいることになる女なんだと思うと、不思議とそういうことはどうでもいい気がしました。ただただ彼女への愛おしさだけが僕を満たしていました。しばらくして顔を上げた彼女は

「尚人様…。麻美は尚人様を愛してます。一生そばにいさせてください」

と言って、また抱きついて泣き出してしまいました。彼女はその後も、セックスの途中や終わったあと、よく泣きました。気がつくと涙が出ていたり、僕はそれが悲しみから来るものではないと解ったとき、その情の深さ、心の純粋さを素直にうらやましいと思いました。

「伝わったか?」

と尋ね頭を撫でてやると、彼女は顔を起こさず、無言で大きく頷いて、僕をきつく抱きしめました。


それから、ちょっとしてルームサービスが届きました。昨夜と違ってふたりは奪い合うように朝食を食べ、お互いの食べっぷり、食欲にふたりは笑ってしまいました。

「あれ、大丈夫なのか?」
「私、生理、けっこう規則的だし、一昨日終わったばっかりだから…大丈夫」
「そっか…。でも気をつけないとな… これから」
「うん…。でも最初だし、どうしても中でして欲しかったの…。すごくうれしかった」
「そっか…。俺もうれしかった」
「…上って初めてだったの…。昨日のバックも…。なんかどっちも凄くいいの…。両方全然違うんだけど…。どっちもすごくいい…」

とてもさわやかな朝食とは言えないそんな会話を二人でしました。

「いまさらだけど一応、ホテル3泊取った。月曜の朝まで一緒にいられるかな?」
「うん。一緒に居たい…。でも3泊じゃなくてずっと一緒にいてほしいの…。尚人様、前に家がないって言ってたでしょ? うちに来てくれないかな…。」

この頃の僕はほとんど、会社で寝泊りをしていた。近いうちに独立して起業することを考えてお金を貯めていたのだ。横浜に家はあったがその帰る時間も惜しかったし、忙しかったのだ。一方、彼女は一人暮らしで裕福な家の子らしく、それなりに大きな部屋を借りていた。

「うん。考えておく…。まあときどきお邪魔するかな。一緒に暮らすのはもう少し待ってほしい。どっちみち、一緒に暮らすことになるんだから、それとあわせて考えようよ」

「うん。じゃあ今日はどうする? ずっとこもりっぱなしで私を愛してくれる?」

彼女は、ちょっと妖しい視線を送ってきて、「さすがにそれは俺の身体ももたない」というと

「じゃあ、買い物行きたい! 尚人様好みの女になるショッピングツアー! ボーナス全部使っちゃいたい! あっ、結婚資金も残さないといけないのかな? でもそれは親に言えばなんとかなるし、今は、尚人様好みのものいっぱい買いたいの!!」

確かにこのときは6月で、僕もボーナスは出た。一流企業の彼女ほどではないけど、それなりに金はある。ただ独立資金にボーナスを当てていたため、そんな彼女のような思い切りは情けないけど、僕にはできなかった。

この週末、僕らはずっと一緒に居た。

買い物に出かけ、ボンデージショップに行き、彼女が欲しいといっていたボンデージ風のメイド服やプレイスーツなどを買い、ランジェリーショップでは、試着しながら僕の好みの下着を何セットも買った。そしてアウターも普段着、仕事着、プレイ用…、どれもいままでの彼女とは違う僕好みの物をいろいろ買い込んだ。アダルトショップでは、バイブやローターなどを彼女の自宅用に買い、逢えないときにひとりで楽しむようにと渡した。そして食事をしたり、時には買ったものを着て、初日のように思いっきり彼女の羞恥心を高めたり、恋人として腕を組みながら歩いたり、ホテルに戻って激しく抱き合い、彼女を縛りあげたり…、濃密で淫靡で甘ったるい週末を、ふたりは飽きることなく過ごしました。
日曜の夜には、もうふたりともヘトヘトで、10時ぐらいには寝てしまった。
月曜朝、その分、早く起きた二人は、

「今日から、一緒じゃないなんて…考えたくない… 会社行きたくない…私は尚人様の奴隷として生きて行きたいのに…」

「もう、俺なしではいられない身体になったか? 麻美、今日一日、俺のことしか考えらないようにしてやる!」

「もう、とっくにそうです。麻美は尚人様の虜です。麻美があまりに淫乱で会社を首になって尚人様だけのために生きていけるように、私をめちゃくちゃにしてください!」

などといって、またプレイをしました。

そうは言っても、ふたりともそれなりに大人、8時ぐらいには、彼女は買ったばかりのいままでよりちょっとセクシーなスーツに着替え、身支度を整えて、“できる女+セクシー秘書”風の先週とは違った雰囲気を醸し出しながら、朝食を食べていました。

僕は明らかに先週とは違う雰囲気の彼女が会社でどういうふうに思われるか、なんてことを考えて、自分の征服欲に酔っていましたが、彼女はなぜか、別れ際、落ち込んでいました。

「どうしたの? そんなに辛いか?」

と尋ねると、彼女は首を横に振り、すまなそうに、そして意を決したように言いました。

「ごめんなさい…。尚人様に言ってないことがあるの…」

「えっ?」

「私、まだ前の彼氏とちゃんと別れてないんです…。ほんとうにゴメンナサイ。尚人様とこんなに急にこんな風になると思わなかったから…、気になっていたっていうより、ここ三日の私はそれどころじゃなくて…尚人様のことしか考えられなくて…でも…」

(あっ…。やっぱ落とし穴…)


それでは、この続きは、また今度!

>>>>この話の続き「2.麻美篇 (5) エスカレート ~婚約時代~」を読む。




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| | 2012/01/14/Sat 22:18 [編集]
りんこさま
ありがとうございます。
ぼくも十六夜落ちてすごく残念です。
もっと話したいですね。
メールくれませんか?
フリーメールでかまいません。

まだ 聞きたいこといっぱいあるんですよw
ぜひ、交流したいと思っています
お願いします。
尚人 | URL | 2012/01/14/Sat 22:22 [編集]
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