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M女性がSMを楽しみたい、もっとその世界を知りたいと思っても、なかなかその一歩を踏み出すことは難しいのではないでしょうか? そんな貴女のためのコミュニケーションブログです。

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2.麻美篇 (6) 証:Proof ~婚約時代~
さて、前回、やりすぎたふたりが、ある一線を越えて、獣のように狂ったところで終わりました。

僕はついにSでいられなくなり、麻美に溺れ

「うん、俺は麻美のものだよ。
 麻美の虜だ…。麻美は俺の女神だ」


と告白し麻美の愛をを求めました。

でも、Mである麻美はそんな僕さえも受け入れてくれたのです。

この日、僕らはひたすら抱き合っていました。彼女のカミングアウトプレイに興奮したふたりは、いくら抱き合っても足りないくらいお互いを求めました。麻美があまりに妖艶で我を失った僕も、次第にSの自分を取り戻し、いつものようにSとして彼女を攻めることもできましたが、なにより、このイベントがふたりの愛情を確実に一歩前へ推し進めたことは間違いありません。



■シャブの売人

でも今思えば、行き過ぎだったと反省もしてますし、さすがにもうここまでのことをM女性に強いることはできないかな…、いや相手によるかな…と思います。なによりHY氏は何も悪くないのに巻き込んでしまって、その後どうしたかは知りませんが、女性不信になって人生狂わせてないといいのですが…(笑)。

結果、麻美のM性は、大きく増し、僕はSとして一歩奥の扉を開けてしまい、過激なことも問わなくなってしまいました。そのことはふたりの普段の生活にも影響していきますので、無闇に進めばいいというものでもないと考えています。後戻りはできないですからね。


夕方になり、さすがに疲れた二人は、一緒にバスに浸かり(ラブホテルのバスは広いからいいです)、ベッドで横になって、ホテルをチェックアウトするまでの時間、話をしていました。さすがに落ち着きを取り戻した麻美は、以前の僕にしたように、なぜか無言で僕の胸をグーパンチし始めました。これは麻美の癖のようで、その後も何度か僕は体験します。たいていの場合、こういうときの麻美は可愛くて甘ったれていて僕を幸せな気持ちにさせてくれました。

「尚人様は悪い人ね…。極悪人。麻美をこんな風にして…。」

「どうして? 麻美が望んだことだと思ってたけど…」

「先週、最初の3日間はずっと麻美のこといっぱい抱いて感じさせて尚人様のこと叩き込まれた。もう麻美を夢中にさせて虜にしたくせに…。今度は一週間ガマンさせて、もう麻美がどうしようもなく尚人様を欲しくてたまらなくなったときに今日みたいなことさせるなんて! ひどい! シャブの売人みたい!」

「え~!? なにそれ?」

「売人は最初はタダで覚醒剤を配るの。気持ちよくなるしダイエットにもいいって主婦とかに渡すのよ。で中毒になった頃、金を取り始めてお金を搾り取るの…。でも薬が欲しいから主婦はお金を渡すの…。そして、もう完全にジャンキーになったら売春させたり、東南アジアに売ったりして無理矢理、酷いことさせるのよ!」

「尚人様が麻美にしたことは、それとまったく同じ!! ひどい!! 麻美は尚人様ジャンキーにさせられちゃった…」

「あはははははははは! かわいいなぁ麻美…。大好きだ。ずっと尚人ジャンキーでいてよ。でもなんの知識だよ? それ? あははははは」

(まあ、でも…。構造的にはまったく同じかな…。なかなか鋭いな麻美は…(笑))

こんな感じで、ふたりの狂気の一日は終わりました。


■結婚準備

この記事は、SM的なことを中心に書いていますから、まるで僕らが、こんなエッチなことばかりしているように思われるかもしれませんが、もちろんそんなことは、ありました(爆)。でもそうはいっても、大人ですからやるべきこともやっています。僕らは早く結婚したかった。できれば今年中、つまり後、半年の間に結婚するという目標を立て、それに向かって動き始めました。

まずは、お互いの両親に会い、結婚を認めてもらうこと。そしてお互いの両親を会わせる事。これがスタートです。これは意外に簡単でした。麻美は両親に絶対的な信頼を得ている娘のようで、僕が彼女の実家に行ったときも、ご両親は歓迎してくれました。基本、娘に甘い点を除けば立派な方々で、僕は今も毎年、このご両親のところへ顔を見せるようにしています。ただ僕が正直に、来年早々に独立して会社を立ち上げる計画と、そのために結婚式やハネムーンをかなりシンプルなものにしたいと言うと、そこは頑として譲ってもらえず、ちゃんとした式と披露宴を挙げて欲しいと言われました。僕はクリスチャンでしたので、教会で式を上げ、できればそのホールで簡単なパーティをするぐらいのつもりだったのですが、どうもそういうわけには行かないようでした。ただし結納とかそういう堅苦しいことは必要ないと仰っていたので、そのご両親の希望を叶えないわけにもいかない空気でした。正直、訳の解らない結納なんてものに金を使いたくないというのが僕の本音でしたからこれはありがたかった。しかも、披露宴の資金も用意してもいいとまで言ってくれました。さすが金持ちです。でもその申し出には即答せず、そのことを保留にしてプランを練り直すことにしました。

うちの両親はまったく問題ありませんでした。こんな放蕩息子を貰ってくれるのが、こんな美女だってことで大騒ぎ。

「ほんとに、いいんですか? このバカ息子はほんとに好き勝手ばっかりやってるしょうもない人間で、麻美さんみたいなちゃんとした家のちゃんとした方が本当ならつきあうことなんて絶対ありえないんですよ?」

自分の息子を言いたい放題に貶した後、結婚式のことを告げると、僕が独立して起業することをしっている父親は、少し起業を遅らせたらどうだ…と心配していました。

確かにそれが一番のネックになってしまいました。僕は独立のための資金としてここまで600万円ほどの貯金をしていました。会社設立に必要な資本金300万円と事務所の開設費用、当座の運営資金、収益が出るまでの生活費、ギリギリでした。

(あと半年でこれにどれだけ上乗せができるかなぁ…がんばって100万ぐらい上乗せできれば何とかなるか…。麻美と付き合って結構金使ってるからなぁ…。派手に遊びすぎたか…)

正直、そんな思いがありました。他の人のことはわかりませんが、僕はけっこう金と性欲は比例します。金に余裕があるときは、性欲も増すんですが、金に余裕がなくなると性欲は落ちてしまう…僕にはそんなところがありました。

まあ、こんな話は本来、このサイトの趣旨には無関係なので、細かいことは省いて結果だけいうと、金は余るほど集まりました。

彼女の実家から、彼女に彼女の花嫁衣裳、つまりドレスや支度金として100万円が振り込まれました。そして披露宴の費用として200万円負担するとの申し出がありましたが、これをお断りして、そのかわりこの金額を僕の新しい会社への融資として、借入金として計上することにさせていただきました。それを2年で返済する約束をしました。こういう申し出は無下に断ることもできないわけです。親としての気持ちも満足させてあげないと、今後の関係にひびが入るわけですから。この僕のプランを麻美のご両親は気に入ってくれました。「ちゃんと返済することで、僕の甲斐性を証明します!」と僕が言ったことで信頼を得たようです。そして僕の両親からは、100万円を貰いました。「老後の面倒の先渡しだ」と親父は言いました。そして会社の独立のためにいろいろ、動き回った結果、僕が非常に信頼をしているカメラマンの方が、共同経営者として資本金の半分を出すことになり、また独立後の仕事の充てもついて、その前金なども手に入れることができ、結果、僕は自分の貯金の半分を結婚準備に使うことができるようになりました。ちなみに麻美はまだ25歳で一流企業といってもOLですから、貯金はまだ100万とちょっとでした。なにしろ秘書というのは服にお金がかかるそうです。それでも全部使っていいと彼女は言いましたが、

「その金は、結婚してからでいいから、じゃあ僕を喜ばすために使ってくれ。僕は麻美がいつもセクシーできれいで、ドキドキさせてくれることに使ってくれればそれが一番うれしいよ」

といって手をつけませんでした。結果的にはこの金はこの趣旨にそって、僕らにとって一番大事なものに使われました。ベッドです。クイーンサイズのけっこういいベッドをこの麻美の貯金で買うことになりました。そして寝室のカーテン、寝具、大きな鏡(笑)、その他、ナイトウェア等々…。寝室の一切合財は彼女の趣味でコーディネートされ、そのムードは最高で僕を喜ばせてくれました。…といっても、僕らのプレイは寝室だけではなかったのですが…。



■奴隷願望

さて、つまらない話は、このくらいにして、このカテゴリーの趣旨に沿った話に戻しましょう。この頃の麻美と僕は、基本的に時間のない中、仕事をしながら結婚準備に追われていたため、ふたりのプライベートタイムは、基本、普通の恋人として、婚約者として過ごす時間が多かったように思います。式は教会を僕が知り合いの神父(ここで神父と言う言葉を使うと僕がカトリックとばれてしまうな(笑)、まいっか)に頼み手配しましたが、披露宴の会場となる場所を一緒に見て回ったり、ドレス選びを付き合ったり、普通のコミュニケーションが必要なイベントが多かったです。なので休日はほとんど一緒に歩き回り、麻美はこのときとばかり、ぼくにセクシーな格好を見せ付けて僕をドキドキさせてくれました。

季節は夏から秋へ、彼女はどんどんキレイになっていきました。髪は出会った頃、短めのセミロングぐらいだったものが、ロングになり、ユルくてふわっっとしたウェーブが女らしさを強調していました。最初の頃は、おとなしくどちらかというと真面目な美人という雰囲気でしたが、バストもEカップからFカップへとサイズアップされ、ウエストはくびれて60cmを切るか切らないかというところまで細く絞り込まれ、しかも着ているものは、そんな身体の線が強調されるようなもので、さらには僕の好みに合わせて大抵、胸の谷間が見える服を彼女は着るようになっていきました。そうです…、麻美は完全に隣の男に、両手で腕を絡ませながら歩くそんな男に甘く媚びた色気を振りまくセクシー美女になっていました。背が高く、僕の好みで最低でも9cm程度のヒールで穿いている彼女はかなり目立ちます。街をふたりで歩いていると多くの人が彼女を振り返り見てます。時には一緒に歩いている僕のほうが気後れしてしまいそうになるほど、過激な格好のときもありました。

そんなある街中でのデートのときのことです。

「たまには、麻美が自分の好きな服を着てくれていいんだよ。十分、俺は満足しているから…」

と僕が言うと、彼女はちょっとふて腐れます。

「尚人様の好みの格好が私の好みなの…。ううん違う。尚人様の好みの格好をしていることが私は幸せなの…。ダメなの? 私、尚人様が私の着る服でドキドキしてくれてるって思うだけで、もう濡れちゃうの…。っていうか尚人様と一緒に居るだけで私、いつも濡れてる…。電話で普通の話をしている時だって濡れるの…。尚人様は普通の人とどっか違うと思う。なんか話しているだけでも、どこか刺激されるの…。だから余計、私、色っぽい気分になって選ぶ服とか自然とこうなっちゃうの…。全部、尚人様のせいなんだよ? もっと自覚して! 気がついてないでしょ…。尚人様のチームの女の子だって別に意識してないようで、けっこう派手な服になってるんだよ…。尚人様がなんか刺激してるんだ、絶対!」

「え~!? そんなわけないじゃん。それは麻美の買いかぶりすぎ。そんな力があったら俺は今頃、べつの職業でもっと成功しているよ」

「わかってないなぁ…。尚人様はその存在自体が、女に対して女でいることを強要しているようなところがあるの! 女でいよう、女になっちゃう!って思わせちゃうの! すっごい危険人物! シャブの売人! テロリスト!」

「ひどいなぁ…。麻美だって、なんかもう最近はフェロモン撒き散らして男を凶暴にするようなムード醸し出しているぞ?」

「ほんと♪? うれしい! 尚人様がそういうってことは、褒め言葉よね。尚人様好みってことでしょ? うれしいなぁ♪ でもね、私、最近すごくモテるのよ! いっぱい食事とかデートとか誘われるし、街で声とか掛けられる♪」

(そりゃあそうだろう…。これだけ甘ったるい雰囲気で色っぽかったら男はみんなものにしたくなるよ)

僕は、ちょっと誇らしかった。俺がこの女をそういう風にした!という満足感がありました。

「そうだろうね。襲われたりしないようにしないとな…。早く一緒に暮らしたいな…」

「うん…。でもね。誘われると…。すごく濡れるの…

「え!? なんで?」

「思い出しちゃうの…。HYさんと別れたときのこと…。言いたくなっちゃうの…。私には私のすべてを支配する愛しいご主人様がいて、私はその淫乱なM奴隷です。なので貴方とお付き合いはできません…って言いたいの…。私、誘われるたびにすごくエッチな気分になっちゃうの…」

彼女は、目をトロンとさせて、まさにあの時の気分に浸かっているようでした。

「あれはやりすぎだったって、前にふたりで話したじゃない…。確かに、すごい興奮してもうふたりで狂っちゃったけどさ…」

「うん…。わかってる…。でも思い出しちゃうの…。またあんな気分になりたい…。奴隷の気分になりたい…」

結婚準備の間でも二人っきりのとき、僕らはちゃんとSMをしていた。かなり過激なこともした。普通にSEXすることもあったが、それでも大抵は彼女は従属的なものを求め、僕に奉仕をしたり、自分を道具のように貶められながら、扱われることを望んだ。僕もそれに応えてきた。でも彼女が今、望んでいることはそれとは別のことのようだった。

また、しよ? 誰かに尚人様の奴隷だってところを見られたいの…。私が淫乱な奴隷で尚人様にご奉仕して感じているところ、見られたい。だって麻美、尚人様の奴隷でしょ? …私、やっぱり変態ね… ごめんなさい」


「あはははは。ううん。わかった。麻美を満足させるのも俺の責任だからな。あのとき責任取れ!って叫んでたし…(笑) まかせろ! 麻美は俺のかわいい奴隷だからな…。もうすぐ奴隷妻だし…」

「うん……。ありがとう♪ 尚人様…。ごめんね。変なこといって…。麻美ね、こうやって普通にドレス選んだり、お茶飲んだり、デートするのもすごい幸せなの…。それは信じてね? でも、最近、こういう時間が多くて、幸せな気分になればなるほど、もっともっと尚人様に御仕えしたいって気持ちが強くなっちゃうの…。奴隷でいたくなっちゃうの…」

「うん。麻美、どっちの麻美も大好きだよ。愛してる」

「尚人様…。麻美…尚人様がすべてです。早く結婚したい…。御仕えしたい。愛しているわ…」

僕らは人目も憚らず、どこでも抱き合い、どこでもキスをするカップルでした。このときも麻美は自分の奴隷願望に身を焦がしながら、僕の首に手を回し熱い抱擁とキスをずっと求め続け僕らは二人の世界に浸り続けました。

麻美は、僕にやさしくされ、幸せを噛み締めれば、噛み締めるほど、それが従属的、隷属的支配の願望へと変換されていくタイプのMでした。普通の甘い恋人の時間と、隷属的な奴隷の時間をバランスよく切り替えていけるタイプというよりは、片方が片方に影響し合って願望を増してしまう、そんなタイプでした。隷属的な支配を受けると、それが甘い恋人の時間をより甘くする、甘い恋人の時間をそれだけ多く過ごせば、より強い支配を望む…、そんなところがありました。

それに、あの自分達でもやりすぎたと反省しているあの刺激的なカミングアウトプレイが彼女の奴隷願望と露出的な願望を強く刺激し、それが忘れられないというのもよく理解できることでした。僕らはもうあの扉を開けてしまったのですから。


■90年代中期のSM事情

ただこの時代、90年代中期は、この手の願望を満たすのがまだ難しい時代でした。同伴喫茶はとっくに廃れ、まだハプニングバーなんてものはありませんでした。インターネットもまだそれほど、この手に願望を満たすだけのインフラにはなっておらず、強いて言えばパソコン通信時代のフォーラムなどにその手のものがいくつかあるくらい。SMのサークルは雑誌などが主催したパーティや誌面で紹介されていましたが、どれも僕等のようなタイプのカップルが参加するようなものではなかったと記憶しています。いくつか歌舞伎町などに参加型のSMショーパブがありましたが、僕が一度見に行った感じでは、小人症のM男や革の全頭マスクを被った精神薄弱っぽいM女などを緊縛し、ロウソクプレイをして、鞭打たれるような、どちらかというと猟奇的というか、アメリカ的な言い方をすればフリークスの集会のようで全然自分のスタイルとは違うものでした。

なのでこの時代の隠れSM愛好者たちは、群れることができず、情報交換の手段も限られ、ほとんど個々のスタイルで、露出プレイを楽しんだり、野外プレイをしたりしてこの手の願望を満たしていたと思われます。あくまでも推測ですが…。


■映画館にて

麻美の着ている秋物の薄手の赤いトレントコートの下は、写真のような革の拘束具とニップルリング、そして真っ赤の首輪だけでした。ただ髪は赤毛のボブカットのウィッグで化粧もいつもとはかなり違います。ふたりは慎重に席を選び、他の観客に見られすぎず、でも必ず見られるような位置に座りました。



映画館での麻美のコスチューム

この日の麻美のコスチューム。左から革の拘束具。ネックレスタイプのニップルリング。赤い革の首輪と赤毛のショートボブのウィッグ。まあ、こんな感じでした。



「コート、脱げよ」

「ハイ、ご主人様、こんなところでもご主人様を求めてしまう、はしたない麻美にご奉仕をさせてください」

麻美はコートを脱いで、拘束具に縛られたその格好を晒し、僕の前にひざまずいて僕のペニスに奉仕を始めました。僕の目の前のスクリーンでは、麻縄に縛られた女優の陰部が時代遅れのぼかしの奥で安っぽく蠢いている様がアップで映し出されています。

そう、この時、僕達は、ポルノ映画館にいました。麻美の奴隷願望と露出願望を同時に満たす強い刺激を求めて僕達はその舞台として、映画館を選んだのです。

麻美の願望を満たすために、僕はあらゆる知識、情報をリサーチ、下見も数回して、安全策を立て、万全の体制でこの日、このプレイに臨みました。


■ポルノ映画館の思い出

20代前半、僕はポルノ映画館には苦い思い出があり、足は遠のいていたのですが、その苦い経験こそが、麻美の希望を叶えるには恰好の場所だと思い至ったのです。僕が始めてポルノ映画を映画館で見たのは、高校3年、受験の帰り道でした(笑)。それほどまだレンタルビデオなどのアダルト系の映像が出回っていない時代、ポルノ映画は唯一の動画のアダルトコンテンツだったわけです。

ただポルノ映画はだんたんと斜陽産業となっていきます。アダルトビデオ全盛によって、わざわざ映画館で欲求を満たす必要がなくなったわけです。そんな廃れていくポルノ映画館でしたが、僕はあの場末な雰囲気が決して嫌いではありませんでした。なんていうか…ある意味、昭和の文学の香りすら感じていました。中には、そういう変わった作品もあったり、ある種のカルト性を楽しんでいたわけです。

ただ客の少なくなった映画館は、男性の性的欲求を映像で満たすという本来の目的から、別の意味も持つようになっていきました。ゲイの発展場として使われたり、カップルが行為を他人に見せ付ける場所としての利用されたり、それを覗きにいくスポットとして、特殊な人が集まる場所としても使われていきました。もしかしたら、僕が気がつかなかっただけで、昔からそういう場所だったのかもしれませんが…。

僕は22、3歳頃のある日、なんとなくポルノ映画館に入り、映画を見ていると、だんだんと自分の席の近くに席を移動してくる男の気配を感じました。200人程度の箱に客は10人いるかいないか…そんなところでした。遠くにいたある客が、僕の後ろの列に移動し、それが同じ列に、そして段々と席が近づいてくる。なんか気味が悪くなり、僕が席を移動すると、またその同じ列で近づいてくる。

「やばい!なんだコイツ!」

と僕は、怖くなって席を立って外に出て、もぎりをしていた中年男に

「あのさぁ… 中で俺に近づいてくるへんなヤツがいるんだよ! 注意してくれない?」
と頼みました。すると中年男は

「そんなこといったってねぇ…、ここはそういうこともある場所だからねぇ…(笑)」

と相手にしてくれませんでした。僕はその映画館をすぐに出ました。まあこうして僕のアナルは今も無事、バージンのまま貞操を守っています(笑)。

また、カップルがいちゃついて行為に及んでいる所は、3回ほど見たことがあります。こっちは不思議と嫌な気分ではなかった。明らかにその時、女性と視線が交錯し彼女がこっちを見てなんともいえない笑顔を向けていたのを今でもよく覚えています。


■衆目の中で

話を麻美と僕の時代へ戻しましょう。実はこの日、麻美と僕はポルノ映画館に来たのは2回目でした。1回目はデートの帰り、セクシーで派手な格好ではありましたが、露出的なファッションではありませんでした。ただ隣に座った麻美のミニスカートの中に僕は手を入れ、彼女のヴァギナを愛撫したり、オッパイを揉んだりして彼女の気分を高め、彼女にその場でフェラチオをさせるぐらいのプチ露出をして彼女の反応を見ました。彼女はこの日、すごく興奮し、彼女の家にふたりで帰った後、それはそれは凄かったです(笑)。

「今日はどうだった? もっとしたいか?」

と麻美に尋ねると

「ハイ…。すごくいやらしい気分でした…。麻美、好きです。もっともっとしたい…」

と僕におねだりしてきました。そこで、それならということでこの日、本格的に映画館でのプレイをすることにしたわけです。一応、念のため、僕は護身用に胸ポケットにナイフまで用意していました。

麻美の股間には、あのカミングアウトプレイの日と同じようにバイブが仕込まれ、革のパンティがそれを動かないように固定しています。首には真っ赤の首輪も付け、そしてこの頃、麻美が気に入っていたニップルリングで、麻美の身体を飾り付けていました。その飾りはまさに、性奴隷的で支配者に媚びた美しい装いでした。麻美は出かける前、自分のその姿を鏡に映し、すでに濡らしていました。

しばらくひざまずいて僕にフェラチオをしていると、周りに2.3人の男が近寄ってきました。正直、僕も緊張します。いやなトラウマを思い出しもしました。いざというときはナイフで相手を牽制し、ここから麻美を守りながら逃げる段取りを再確認します。これはフェラチオされている身にとっては、かなり難しいです。萎えそうになります。でも麻美のためにここはなんとしてもSとして麻美を喜ばせなければなりません。僕も覚悟を決めて自分の中のSを全開に奮い起こします。僕は近寄ってきた男達と敢えて目を合わせ、笑いかけると麻美に言いました。

「ほらほら、麻美のいやらしい奴隷姿を見たいってみんな集まってきたぞ。うれしいか?」

「ああ~、見られちゃうのね…私。ご主人様にご奉仕している奴隷の麻美を見られちゃうのね…」

「お兄さん、この子、マゾなの? すごいいい女だな?」

「どうも! いいオンナでしょ? 俺の奴隷なんスよ。なんか声掛けてやってくださいよ。コイツ、喜ぶから…。ほら麻美、お客さんがオマエはマゾなのかって聞いてるぞ。ちゃんと返事しろよ!」


僕は自分の中で、ちょっとヤクザな男の設定を作り出し、ある部分、相手を牽制しつつも親しげに話しかけ、麻美に対してはいつもと違う横柄な態度で足で軽く麻美を蹴りながら命令しました。

「ああ~ ハイ、ご主人様。私はこのご主人様にお仕えする変態マゾ奴隷の麻美です。どうか私がご主人様のチンポ咥えて喜んでるところを見て楽しんでください…あああ~ んっんっ」

「へえ~ お兄さん、凄いね~よく仕込んでるね。もしかしてプロ? 麻美さん、気持ちいいかい?」

「ハイ、イキそうなくらい気持ちいいです。私は見られて感じる変態奴隷なんです。今日もご主人様に無理を言って、ここに連れてきていただきました。どうか見てください…」

「ねっ? コイツ変態でしょ? お客さんに見られて喜んでるんスよ。ほんと世話が焼ける奴隷なんです。いつも露出して街とか歩くもんだからコッチも大変で…(笑)」

「うらやましいねぇ…。ねえ、触っていいかな…

ついに来ました。こういった問答は、ある程度想定範囲に含まれていました。前もって麻美には「もし、触りたい」って言ってくるヤツがいたらどうする? と聞いてありました。麻美はしばらく考えた後、

「尚人様にお任せします…。麻美はどんな命令でも従いますから…」

と言いました。“お任せします”これが一番、答えに困ります。というか、僕も自分の気持ちにも大きな迷いがありました。麻美をとことん貶めて、自分の支配力に酔いたい気持ちとしては、他人に触らせるということは非常に興奮させられます。麻美にも、強い抵抗感のあることを支配者から命令されることに対する、被虐的なMとしての興奮があるはずです。でも同時に、麻美は俺のもので、誰にも触らせたくない、俺だけのものにしておきたいという気持ちもあるわけで、この両方を天秤に掛けると、秤はいつまでも揺れ続け結論が出ないわけです。たぶん麻美の気持ちも似たような葛藤で結論が出なかったのだと思います。

「悪いね…。オッサン。このオンナ、まだ躾がちゃんとできてないからさ…。オッサンみたいなテクニシャンに触られるとたぶんチンポ咥えて離さないで、家までついて行っちゃうんだよ。チンポ狂いなんだよ、コイツ。だからさ、今日は勘弁してよ。そのうち、もっと躾けたら、そのときは好きなだけ触らせて、好きなだけフェラさせるからさ…。オイ! そうだな麻美!」

「ハイ、ご主人様。麻美はもっとちゃんと躾が出来てから、こちらの方のおもちゃになります。そのときはお好きなだけ麻美を可愛がってください…。お口でご奉仕もさせていただきます…。ああ~ イキそう…」

まあ、僕は結局、臆病なのかもしれない。言葉はふざけたことをいいながらも、目だけは「おまえなんかに触らせてたまるか!」って顔で相手を恫喝した。

「そうだ! そのかわり今日はコイツがバイブでイクところ見てってよ。ほら、ちゃんとみんなに見てもらえ!」

「ハイ、皆様、麻美は今、肉穴に仕込まれたバイブでイクところをお見せします。麻美は皆様の見ていただくことで感じてしまう、浅ましい淫乱奴隷です。皆様が麻美を見て興奮してくださることが、なによりも喜びなのです。どうか、そんないやらしい麻美をごらんになって! ああ~、気持ちいい! イキそう… あっあっあっあ~っ! イクッ~!」


この後、ちょっとしてから僕は、彼女の肩にトレンチコートを掛け、彼女の肩を抱いて、ホールを抜け出し、映画館の外に出ると見せかけ、そのまま男子トイレの個室に麻美と篭りました。

「麻美もう、ガマンできない… すぐに頂戴…このままきて…尚人さまぁ~素敵!あああ」

「凄かったぞ! 麻美、おまえ最高だ! すごいいやらしかったぞ!」


ふたりは激しく興奮していて、彼女は僕の首に手を回し、濃厚なキスで舌を絡めあいました。僕は彼女の首や耳や乳首を強く噛んだり、舐めたりしながら、二人は立ったまま、挿入してふたりでイキました。このときのふたりは、主従関係というよりは、なんていうか共犯関係で結ばれた男女の様でした。赤毛のボブの麻美を抱いているせいでしょうか? 銀行強盗を成功させたボニーとクライドのような気分で、そのことに興奮しているようなそんな感じでした。まあ、確かに犯罪といえば犯罪なんですけどね。この日ふたりがやったことは…。

帰り道、車の中で、麻美は言いました。

「尚人様、すごいチンピラみたいでドキドキした♪ あんな尚人様初めて! ほんとに悪い人だったよ。私、すごい悪い人に手篭めにされてる気分でなんか…もう凄かった! あんな尚人様もいるのね…。やっぱりシャブの売人だったんだ(笑)」

「いねぇ~よ(笑)! あれはそっち系の雰囲気のほうが、麻美を守りやすいって思ったんだよ。わかってないなぁ…。 人の気も知らないで…」

「そうだったの? ゴメンナサイ…。でも守られているって気持ちはあったの…。うれしかった。前は一人だったけど、今日は一緒だったから、どんなことしててもすごく安心できたの…。だからいっぱい弾けていやらしくなれた…。そっかぁ麻美はやっぱり尚人様に守られているのね…。うれしい♪ 尚人様…ありがとう…」

「うん…。でも、あれはどうたった? 触られてみたかったか?」

僕は、自分が迷っていて、結局、臆病になってしまったことを、麻美がどう感じているか聞きたかった。

「う~ん……。わからない。でもちょうど良かった。『あっ! 私、知らない男に触られるの? 怖い!! 尚人様助けて!』って気持ちと、『そんなところまで私は堕ちていくのね…』って貶められていくヘンな背徳的な気分もあった。どっちがいいかわからなかったけど…。尚人様が「触らせない」って言って、『ああ~尚人様! ありがとうございます! 麻美は尚人様だけのものです!』って気持ちで涙が出てくるくらいうれしさもあったし…、なのに、躾けてから触らせてフェラチオまでしろって言われて、また『ああ 私は堕ちていくのね…。知らない男達の性欲処理の道具になるんだわ…』みたいな気分にもさせられて、みんな味わえた♪ だからちょうど良かったと思う…」



「あはははは なるほどねぇ…。
 ……俺達はどこまでいくんだろうな…」


ふと、自分達の行く末に不安を感じた。でも麻美は言った。

「大丈夫。尚人様…。ありがとう…。十分幸せよ。私、ちゃんと尚人様のためにかわいくて甘ったれた妻も超セクシー美女妻も奴隷妻もみんなちゃんとやれる。だってそれが麻美なの…。だから、ときどき麻美とハメをはずしてほしいの…。それに、知っているの…」

「なにを?」

「尚人様はそんな麻美がたまらなく好きで、
 離れられない!ってこと!!」


最後はおちゃらけて、麻美は運転中の僕にしがみついてきました。そう…、前にも言ったように麻美は強い奴隷的な願望を満たすと、その分、恋人として思いっきり甘えてきます。この時の麻美がそんな感じでした。へんな話ですが、そういう麻美を見ると僕はホッとしました。

明らかに、この頃、僕はMの麻美に引きずられたSで、困惑しながらも、そんな彼女に魅力を感じ、自分の中のS性を強めていったのでした。といってもこれは後日、麻美が言うところによると、すべては僕の責任で、初めて命令を受けたときにもう、麻美の中では、「どこまでも尚人様の奴隷でいることを望む女」にさせられたんだと言います。まあ、どっちもどっちってことでしょうか(笑)。


■姉妹

結婚式の日取りも決まり、ドレスも決め、披露宴の手配や、招待客への招待状の発送など、ウエディングに必要なことをほぼやり終え、式まであとひと月と迫ったた11月頃、僕らは新居となるマンションへふたりで引越しをしました。僕は新年と同時に新しい会社を立ち上げることになり、勤めていた会社とも円満に話がつき、スタッフ3名ほどを引き連れ年内で退職することになりました。

新居は、僕の新しい事務所になるマンションから歩いて5分ほどの場所で、かなり都心のど真ん中、彼女の会社へも地下鉄で15分という立地条件の場所です。家賃はその分高いですが、通勤に時間がかからない分、ふたりで過ごす時間を多くとることを目的としました。ちなみに僕は、最初、しばらく仕事を続ける彼女の通勤に便利なところを探したのですが、結果的にこの場所が最も二人にとって都合がいいということになりました。

余談ですが、独身の読者の方が結婚するときのアドバイスとして、もし、女性も働き続けるのなら、新居は女性の通勤に便利な場所を選ぶほうがいいです。M女性の多くは尽くしたいタイプであることも多いですから、その分、家事の負担が増えます。なので通勤時間ぐらいは旦那さんに甘えて譲歩してもらってください。

引越しには、新しい会社のスタッフになる予定の面々、そして麻美の6歳年下の妹・香奈が来てくれました。

無事、片づけが終わり僕らの新しい生活が始まります。といってもこの日は、麻美の妹、香奈が泊まることになり、僕ら3人はワインを飲み、いろいろ、おしゃべりをしながら過ごしました。

香奈は東京の郊外の大学に通っているため、この姉妹は別々に一人暮らしをしていましたが、歳が離れている割には仲がよく、僕はこの時、逢うのは3回目でした。身長は麻美より少し小さい164cmぐらいですが、スタイルは姉譲りだし、顔も似ていて、麻美をもう少し現代的に活発にした感じの明るい美人でした。もう後何年かすれば、お姉さんに負けないいいオンナになっていく、そんな感じの娘でした。別にこんな説明をしたからといって、この後、この娘を食って、姉妹奴隷にしていくなんて話じゃありません、念のため…(そんな鬼畜じゃないっす)。

でも(爆)、ちょっとこの娘を使って麻美にいたずらを仕掛けたくなりました。僕は香奈が見つけやすい位置に、麻美がそのころ、すごく気に入っていたニップルリングのネックレスをおいて置きました。

「あれ? このネックレス何? ちょっと変わっているね」

「あっ! ダメそれ… なんでこんなとこに…。もう!」

麻美は真っ赤な顔をして僕をちょっと睨みます(笑)。

「えっ? なになに?」

香奈は、なにかを嗅ぎ取って興味を示します。

「ちゃんと、香奈ちゃんに説明してあげたら?」

と僕は、香奈には、命令に聞こえない命令を出します。麻美はちょっと困った顔をしながらも、逆らいませんでした。

「これはね…。こうやって首に巻いて、こっちのチェーンをこうやって垂らして乳首につけるの…。尚人様とエッチするときつけると、すごい気持ちいいの! もうヤダ!」

「え~っ! こっちの台詞だよ! なによ もう! 勝手にして! やってらんない!」
ふたりとも顔を真っ赤にして恥ずかしがっています。

「でも、なんかお姉ちゃん、きれいになったよね…。尚人さんといっぱいエッチしてるんでしょ?」

僕らは顔を見合わせます。僕は無言で彼女に答えるように促します。麻美はそれにも逆らいません。

「もう! なによ!いいでしょ! 私はいつだって尚人様に抱かれたいって思っているから結婚するの! だから、これからはもっとするの! もっともっとキレイになるんだから!!」

半分、やけになったような感じで、麻美は妹の前で宣言しました。まあお酒も入っていましたから、酔っているっと思ったのでしょう、香奈には麻美が僕に命令されているってことに気がつかなかったと思います。それよりも、姉妹の気安さの中で、いつもと違う感じの麻美が僕は新鮮でした。

「尚人さん、すみません。こんなはしたない姉ですが、よろしくお願いしますね? ほんとに…」

「あはははははは!」

僕は、香奈には香奈へ、麻美には麻美への意味を込めて、大声で笑いました。

この夜、僕らはリビングのソファーで寝ている香奈の横で、麻美に奉仕をさせ、その後「声を出すなよ」といって、麻美の股間をクンニリングスをしました。彼女は必死に声を出さないようにしていましたが、興奮した麻美が「ああ!」と声を上げてしまったため、寝室に移動して、続きをしました。麻美は騎乗位で大きく腰を振りながら

「もう! 尚人様のいじわる!! 麻美もうダメ!! どんどんはしたないことする女になってきてる!! このままだと香奈にばれちゃう! 麻美が奴隷だってばれちゃう!!」

と幸せそうに果てました。翌朝、朝食中に麻美は香奈に

「おねえちゃん…、声大きいよ。」

とからかわれて、麻美はまた、顔を真っ赤にしていました。それでもやっぱり姉妹だからでしょうか? 麻美も香奈には

「あんたが、昨日生意気なこと言ったから、見せつけてやったのよ♪ くやしかったら尚人様よりいい男見つけてみなさい!」

なんて嘯(うそぶ)いていました。



■印、そして証

結婚3週間前の休日、僕らは指輪を受け取りにジュエリーショップを訪れました。彼女は婚約指輪と結婚指輪のふたつも要らないといって、プラチナに小さなダイヤがいくつか並んでいるタイプのマリッジリングを選びました。そして

「お願いがあるの…。指輪はひとつで十分だけど…。もうひとつ欲しいものがあるの…。尚人様にいただきたいの…。この指輪は尚人様の妻としての印でしょ? もうひとつ印が欲しいの…」

彼女は、前からどうしても言いたかったことを思い切って告白しようとしていました。

「うん…。わかった。ちゃんとわかってる。これから行ってみるか? 一応調べておいたよ」

と僕は答えました。この半年間の麻美を見ていれば、彼女が何を欲しがっているのか、わかりました。僕はその道では有名なボディピアス専門店へ麻美を連れて行きました。僕は彼女が乳首にピアスをしたいと願っていることをわかっていました。ニップルリングやチェーンなどで乳首をキレイに飾りつけたとき、僕が「すごくキレイだ」と褒め、

「ほんと? キレイ? 私、ピアスしたいかも…。なんか尚人様のものっていう証がほしいの…。奴隷の印、尚人様のものっていう証としてずっとピアスをしていたい…。結婚指輪よりそのほうがずっと幸せな気がする…」

と語っていて、その後も何度か乳首ピアスの話を持ち出されていたのです。僕もそれは素敵だと思って、

「いつか、麻美の乳首を僕が贈ったピアスで飾ってあげるよ」

応えていました。その反面、痛い系のプレイや針といったものに、どうしても馴染めない自分もいて、そのことがあって2ヶ月ほど前から逆にずっとひとりで情報を集め、専門店などを調べて話を聞いたりしていました。その一軒で、僕はそのピアッシングの専門家の人を紹介してもらって事情を説明しました。

「結婚する相手が、印として乳首にピアスをしたいといっているんです。でもどうしても自分で針を刺す気にはなれないし、デザインとか見ても、けっこう無骨な感じのものが多いじゃないですか? どうせなら、もうすこし繊細で彼女を美しく飾るそんなものがほしいんです。できれば金は多少かかってもいいので、ルビーとかちゃんと輝石を使って繊細なデザインのものを作れませんか?」


眉や鼻、唇などにピアスをし、頭にバンダナを巻いたいかにもって感じの店長さんは、その風貌に似合わず、紳士的に僕に応えてくれました。

「そういう人、けっこういますよ。ピアスマニアじゃないけど、そういう印として乳首にピアスする人。大丈夫ですよ。痛いのは針を刺すときだけで、別にずっと痛みが続くわけじゃないですからね。女の人はみんなそれを知ってるんですよ。逆に男のほうがちょっと怖がるんです。良ければ私がやってさしあげますよ。でも穴を開けたら、ご主人がピアスを入れてあげたほうが、きっと奥さん喜びますよ。そういうものでしょ? 指輪の交換と同じです。デザインはそうですね。デザイナー紹介します。もうすぐここに来るから話しましょう。ルビーとか金とか使うなら、値段はそれなりにかかりますけど、まあブランドってわけじゃないから、指輪なんかよりはずっと安く出来ると思います。後はデザイン料と制作費ですね。ちなみに2つ作ることになるでしょうけど、それでも指輪より安く出来ると思います。」

この後、デザインの打ち合わせなどで2,3回お店を訪れ、この日はもう完成品を見ることができるはずだった。彼女が自分から“奴隷妻の証”としてピアスをつけて欲しいと言い出すことは予想していたので、その時が来たら、彼女をここに連れてきて見せてやろうと思っていたのです。

麻美はドキドキしています。

「ああ、どうしよう…。緊張してきた…」

店の入り口で地下への階段を下りていくときに麻美が言いました。ちょっと僕にすがりつくような感じです。まあ、なんていうんだろう…。店の風貌は、ジュエリーショップというよりは、もっとパンキッシュな感じ、無理もありません。

店に入ると、バンダナを巻いた店長がにっこり笑って迎えてくれました。

「あっ、いらっしゃい。○○さん。ついに連れてきましたね! いやぁ…お話を伺っていた通りのすごいキレイな奥さんじゃないですか!」

「うん、どうも自慢の妻です(笑)。でもまだそれはちょっと先だけどね。麻美です。できてます?」

「ええ、きっと気に入ってくれると思いますよ。デザイナーもすごく喜んでました。こういう凝ったピアスなかなか創る機会がないからっていって。輝石(いし)もなるべくいいのを探してカットもちゃんと丁寧にしてあって、是非、実際に身に着けたところ写真が見たいっていってました」

「そうですか…。うれしいな。写真はお見せしますよ」

自分の知らないところで、話がすでについていて、どうやら特注のピアスがすでにできているということを察して麻美は驚いていました。

「えっ!? どういうこと? 尚人様、麻美のためにピアス作ってくれてたの?」

「いや…。違うよ。俺のために麻美はこのピアスをつけるんだよ。気に入ろうが入るまいが、麻美には拒否権はないんだ(笑)。これはそういう類のものだ。一度つけたら、僕の許しがなければ絶対、外すことは出来ないんだよ…。そこが指輪とは違う。これは、麻美が僕の奴隷妻だってことの“印”であると同時に、僕がずっと麻美の主(あるじ)で、麻美がずっと妻であり奴隷でいる、その関係を一生守るっていう誓いであり、決意そのものなんだ。その“証(あかし)”だ…、わかるね。ファッションじゃないんだ…。でも見てごらん…。気に入るから」

僕のこんな台詞を店長さんはニコニコ笑って聞いていました。まあ、こういうお店でこういう発注ですから、事情は大方理解していたでしょう、僕が手を店長に向けて差し出すと、店長はなにも言わずに、ジュエリーケースを僕に渡してくれました。
僕はケースを受け取ると、椅子に腰掛けていた彼女の目の前で、ケースの蓋を開けました。

「あっ!………」

彼女は見る見るうちに、顔を歪めて、その瞳を潤ませたかと思うと、すぐに一筋のキレイな涙が頬をつたって落ちていきました。

「うん……」
「ううん…」
「…ハイ。尚人様。ゴメンナサイ…、尚人様 復唱できない…、もう何て言えばいいかわからない…、うえーん…」


彼女は僕にしがみつくように僕を抱きしめました。

「うん、いいよ…」

なんていうか…(照笑)、麻美は感激してくれました。見ようによっては、映画館で流れるデビアス(ダイヤモンドの採鉱・流通・加工・卸売会社)のCM映像のようですが、ものはダイヤでも指輪でもなく、ルビーの乳首ピアスです(笑)。僕は彼女を抱き、頭にキスをして彼女が泣き止むのを待ちました。店長はそんな僕らを微笑ましく思ったのか、気を利かせてくれてバックヤードに下がり、しばらく二人っきりにしてくれて、そしてしばらくしてから、コーヒーを淹れて戻ってきました。

「どうします? 今日、しちゃいます?」
「それとも、別の日にしますか?」
「う~ん。今日は出来上がり見に来ただけなので、また後日予約してきますよ」

と僕が勝手に返事をすると

「え!? 今日したい! もう大丈夫。早く着けたいの…」

と彼女は答えました。

「え? 本気? まだ準備が…」

「準備って何? 私はもう心の準備できているよ」

僕は、自分の中にイメージがあった。どんな風に彼女がこの日を迎えるか…。そのためにできるだけのことをしてやりたかった。なぜなら、結婚式はあと20日で確かに行われるけど、これは、それと同じような意味を持っていると思ったからだ。

「店長さん、お願い聞いてくれないかな…。お店が終わったらでいいから、今日、うちでやってくれない? ちゃんと出張分出すし、いろいろお礼もしたから…。」

「う~ん…。普通はそこまでしないんだけど、いいですよ。○○さんのうちなら帰り道だし、こんな機会あまりなさそうだし…。じゃあ8時でどうです?」

「いいです。食事用意しますから、ぜひうちで食べてください」

そんな風に、僕は彼を家に招待した。僕は代金を払い、簡単な家の地図を書いて渡した。不思議そうに、僕を見つめる麻美に僕は言いました。

「麻美、これは儀式だ。もうひとつの結婚式みたいなものだよ。だから出来る限りのことをさせてくれ…」

「ハイ、わかりました。今夜、私は尚人様の奴隷として、その証を着けていただきます。お食事も用意しないとね…。それに…(笑)、尚人様…、私に衣装着させる気なのね♪ うれしい!」

麻美は僕の意図を理解してくれて、笑顔で答えてくれました。


■儀式

店長に家で手料理をご馳走して、しばらく歓談した。いろいろピアスにまつわるおもしろい話をいっぱい聞けたけど、それはまたいずれ、べつの機会に。その後、麻美は寝室で着替えてリビングに戻ってきた。彼女は、白のオープンバストのボンデージのプレイスーツに、レースのチュチュ、そしてベールを身に着けていた。



麻美が乳首ピアスをしたときの白いボンデージ

麻美がこの時、着ていた白いボンデージプレイスーツのイメージ。白のボンデージは数が少なくいいのがなかなか見つからなかった。探すのに2月近くかかりました。ウエディングドレスをイメージして、これにチュチュとベールをつけ、イメージ写真のように光沢のあるレッググローブをさせた。




その格好に店長さんはちょっと驚いたようだったが、すぐにその趣旨を理解してくれた。彼は丁寧に、段取りを麻美と僕に説明してくれて、手際よく道具を並べると、

「いいですか? まず氷で乳首を冷やしますよ。こうすると神経が麻痺して、多少痛みが和らぎますから…。でもあんまり冷やしすぎると乳首が硬くなって痛みが増しますから、少しガマンしてくださいね」

「はい・・・」

「いや、ご主人じゃなくて、麻美さん(笑)」

「あ、そっか…」

「大丈夫よ。痛いのも平気です…」

麻美より、僕のほうが緊張していた。正座している麻美はそう言って静かに頷きました。僕はそんな麻美の斜め後ろに座り、麻美を抱きしめていた。

※ここから先は、痛い系、針が苦手な人はとばしてください。僕も本当は苦手…(笑)

彼はアルコール綿で彼女の乳輪と乳首を拭くと、前もってマークをつけていた部分にあっという間にニードルを刺し、右乳首を貫通させた。

「うっ!」

僕にしがみついている麻美の腕が緊張したと思うと小さく麻美は呻いて激痛に堪えているようでした。ニードル伝いに、すこし血が出ています。これは当たり前といえば当たり前。店長は、それを殺菌したコットンにマキロンのような薬をつけてサッと拭きます。

「がんばれ! 麻美…。」

僕は、こういうとき何を言ってやればいいか、まったくわからなかったし、この段階で少なくとも僕に性的な興奮はありませんでした。

「ご主人。ピアス通してください」

「あっ…。そっか」

そうだった。ニードルを抜く前にそれをスッとピアスと入れ替えなければならない。それは確かに僕の役目だった。僕は麻美の前に回り、アルコールで手を消毒して、ピアスを手に取った。

「麻美、ピアスを通すよ。いいね。これはふたりの証だ…」

「ハイ、尚人様、麻美にその証を着けて、どうか麻美を尚人様のものにしてください」



彼女は少し、感じているようだった。

オンナって凄い! 
マゾってすごい!
 

正直、そう思った。


店長が見守りながら、丁寧に指示をしてくれたおかげで、僕はピアスを彼女の乳首にうまく通すことができた。

「ふ~うっ、はぁ~」

どういう種類の呻き声なのかわからないような声を麻美は出していた。やっとこれで半分。同じ段取りで、店長は段取りよく、さっとニードルを左乳首に貫通させ、僕にピアスを通すように目配せした。

「これで終わるからね。がんばるんだよ」

麻美の顔を見て、声をかけると麻美が恍惚とした顔をしていることに気がついた。麻美は痛みの中に確かに快楽を感じているようだった。その顔は妖しいオンナの顔で、僕がピアスを通している最中、小さな声で彼女は呟いた…。

「イキそう……」

その声と顔に、僕は興奮し、自分のペニスがエレクトしていることに気がついた。


こうして、麻美の胸には、“ふたりの関係の証”として、美しく、そして淫靡な印が刻まれた。僕は、その麻美を見て、愛しくて、綺麗だ感じ、それ以上に、麻美が自分のものであると実感した。

「麻美、綺麗だ。そしてもう麻美は僕のものだ…。
 愛しているよ。ずっと僕に仕えなさい」


僕はそういって、麻美にやさしいキスをした。






すべてが終わり一息ついたとき、店長がカメラを持ってきていたので、僕は

「どうぞ、撮って下さい」

といって、彼に写真撮影を許可しました。マクロレンズでの乳首のクローズアップ。麻美のバストアップ写真、僕と麻美のツーショット、そして記念に店長もいれたスリーショットを撮影して、僕と麻美は店長に深くお礼を言って見送りました。

「麻美さんと尚人さん、ほんといいご夫婦ですよ。僕も結婚したくなっちゃいましたよ。ぜひまた、利用してください。歓迎しますので…」

店長は最後にそう言ってくれました。




麻美のピアスコレクション

麻美のピアスコレクション A:特注でこのとき作った乳首ピアスのイメージ。これは実際は指輪なんですが、だいたいこういう感じのデザインでルビーはもう少し透明度が高いものでした。B:一般的なバーベルタイプのピアス。このタイプをしている人が多いそうです。C:これも一般的なキャプティブビーズタイプのピアス。D~Hは、その後、なにかの記念の時購入したものですが、基本たまに使うぐらいで、ほとんどAのピアスを彼女は愛用していました。






■ナルシスト麻美

麻美は、その日、寝室の鏡の前で白いボンデージのプレイスーツを身に着けたまま、自分の身体、そして乳首をずっと見ていました。いろいろ角度を変え、オッパイを寄せたり、上げたりしながら、うっとりしています。

「ねぇ… キレイ? わたしセクシーでしょ?」

僕はベッドに寝そべりながらそんな麻美を飽きることなく…、というか早くこっちに来ないかなぁ…と思いながら見ていました。

「うん。すごくキレイだ。セクシーだし、なんか今日は特に胸の辺りが淫靡でドキドキする。どうしてだろう…(笑)」

「それはねぇ~♪ ピアスのせいなの♪ 見たい? もっと近くで見たい? 見せてあげる…」


なんて言いながら、僕の側にやって来ては、おっぱいを突き出しピアスを見せびらかします。でも、すぐにまた鏡の前に戻って、また角度を変えては眺め、オッパイを寄せたり、上げたりしはじめます。

「ああ、素敵…♪ 尚人様 ありがとう。 麻美、すごくうれしい… 麻美の知っている乳首ピアスとは、でも全然違う…。 こんなキレイなデザインで… しかもルビー…。尚人様、趣味がいいわね…。いままで何人の女にジュエリー贈ったの?」


僕に話しかけても、視線はずっと鏡の中の自分自身です(笑)。

「そうだなぁ…。そんなに多くないよ。高いものは買ったことないし…。ルビーは麻美と初めて話したときのこと思い出したんだよ。麻美、あの時のこと、なんか印象にあったみたいだし、確かに麻美はルビーが似合うなって思…」

「ねえ~ わたしキレイ? もっと言って欲しいの。 わたしのオッパイにこれ栄えるでしょ? ああ~わたしすごいいいオンナ♪ 麻美、セクシーな奴隷妻な気分…」

(って、俺の話聞いてないし…)

「うん、麻美、もうガマンできないくらいきれいだよ。もともと麻美はキレイな女だし、スタイルは抜群だし、足も長くてキレイだし…、もう最高だよ。早くこっちにおいで」

「うれしい♪ 最近、みんなにも言われるの…。でも、それはいいの。尚人様がそう言ってくれるのが一番うれしい! ああ私、セクシーでいやらしくていいオンナ…。感じちゃう…。

 ねぇ…尚人さまぁ~♪ 
 鏡の前でオナニーする麻美、見たい?



「あははははは! 鏡の前って僕に見せたいんじゃなくて、自分で見たいんだろ? 麻美って、わかってたけど結構ナルはいってるよな(笑)」

「もう! いじわる言わないで! 尚人様がいつもキレイだ! セクシーだ!って言ってくれるから自信がついたの! キレイでしょ? …スキでしょ? 私の身体…。 お願い…そう言って…」 

「うん。麻美…。キレイでセクシーでいやらしい…。それにピアスを見ているだけで興奮してくる…。僕は麻美をずっと奴隷妻として側にはべらしておけるんだって…。麻美、そんな自分に酔ってオナニーしてごらん。そして僕を自分から求めてくるんだ…」

「ハイ…。乳首ピアスをつけた尚人様の超セクシーな奴隷妻のいやらしくて淫らなオナニーを見てください。ああ~、尚人様… わたし、こんなにキレイで淫靡な奴隷になりました。褒めてください…。」

彼女はやっぱり僕に向かってオナニーしているというよりは、もう鏡に映る自分の姿に酔っていました(笑)。でもここまで、ピアスを気に入って喜んでいる麻美に、Sとして無粋なことを言いたくはありません。好きなだけ喜んで、その自分の姿に酔えばいい。ピアスを贈った人間としてみればここまで喜んでくれればもう本望です。まあピアスは、1個で給料の3週間分、2個でひと月半分。婚約指輪に比べれば相場よりかなり安いとはいえ、高い買い物です。それでも、奴隷妻としての証を喜ぶ麻美の姿に僕は、いい買い物をしたと思いました。

「尚人様…。今日は麻美、尚人様の上で踊ります。麻美の奴隷としての証が、淫らに揺れるのを見て楽しんでください。」

思う存分、自分を眺めてオナニーをした後、麻美はそう言って、僕の上に跨り、「尚人様、見て、見て!」とずっといい続けて果てました。やっと静かになった麻美は、僕の胸の中で、荒くなった息を整えています。

「尚人様…。すごく幸せ。もちろんデザインも輝石(いし)も気に入ったけど、こんなにピアスをすることが、幸せなことだなんて思ってもいなかった。ちょっと気分が奴隷っぽくなっていいかな…って思ってたの…。でも全然違う。麻美、ずっと尚人様のものなんだって、これで私は私になれたって満足感でいっぱいなの…。麻美は尚人様の奴隷妻です。それがすべてなの…。本当にありがとうございました。

これは私の宝物です。これは麻美が麻美でいる証です


彼女はそういって、また涙をこぼしました。

「うん…。麻美は僕の奴隷妻に今日、なったんだよ。」

僕は彼女を腕枕しながら、やさしく髪をすいてやりました。

「うん…」

僕も身体も心も満足感でいっぱいでした。これが僕らなりの結婚生活のスタートなんだな…最高だ! そんな幸福感で満ちたりていました。彼女を抱きながら、こんな日がこれからもずっと続きますようにと願わずにはいられませんでした。そして、それは叶うと信じていました。そんな幸せな僕が静かに眠りに入りウトウトした瞬間でした。麻美が言いました。

「ねぇ…尚人様? 私、キレイ? セクシー? 私の素敵な乳首見て~♪」


(・・・・・・・・・・・ハイハイ(苦笑))




さて、いよいよ次回は結婚生活に突入です。ここまで長かったぁ~。一応、コンパクトにまとめる予定ですが、婚約時代も予定の倍の2回に、しかも大幅増量。書きあがるまでどうなることやら…。どうぞお楽しみに!!

>>>>この話の続き「2.麻美篇 (7) バランス ~結婚時代~ 」を読む。


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| | 2017/07/31/Mon 02:12 [編集]
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