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M女性がSMを楽しみたい、もっとその世界を知りたいと思っても、なかなかその一歩を踏み出すことは難しいのではないでしょうか? そんな貴女のためのコミュニケーションブログです。

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CASE4-2 迷いの森の贖罪のマリア 聖子の場合  

言葉を探していた。ずっと考えていた。何を彼女に伝えられるか…。彼女はまたきっとやってくる…。何も根拠はなかったけれど、そのことに疑いはなかった。もし次に話ができるなら、そのとき僕は彼女の抱えているMとしての哀しさをどうにかしてあげたかった。そんな力が自分にあると思っていた訳じゃないけれど…。

自分が誰に対してでも、何かができるなんてことを、いつも考えているわけではない。彼女の抱えている哀しさや、そしてその元となる境遇、状況すべてが自分の手に余るものだと感じていた。

昨日のことを振り返りながら、それでも僕は彼女に伝える言葉を探していた…。

前回、「CASE4-1 ペルソナを打ち砕く露出願望の歌姫 聖子の場合」の冒頭で、今回はいつもと違うと書いた割に意外と、普段と変わらない構成で原稿が仕上がった。でもそれは思っていた以上に文章量が増えてしまったせいで、実はこの後編にこそ、いつもと違う部分が集中してしまっている。前回は彼女のMとしての告白を中心にその心情を書き綴ってきたが、別に後編に新しい事実や衝撃的告白が加わっているわけではない。後編はどちらかというと彼女の問題と言うよりは、それに関わってしまった僕の問題。その後の彼女との交流の中で僕が何を想い考え何を彼女に伝えたか…いや、何を伝えられなかったか、それが中心となっている。ごめん、どんなに期待されてもそんなおもしろいもんじゃない(笑)。


■すべてを嘘にしていいのに…

前回からチャットを終えてから26時間後、彼女は再び、新月の管理人室に現れた。…というよりも、彼女は僕を待っていた。夕食で席を外していた僕は彼女を10分以上、待たせていた。

「ごめんさい ちょっと席外してました」

という僕に、彼女はやさしく

「勝手に待ってただけですから、気にしないでください」

と応えた。管理人室をパーティチャット・閲覧可の設定から、2shot・閲覧不可に変えて僕は彼女に告げた。

「昨日は長い時間、ありがとうございました」

「いえいえ 楽しかったです。でも…昨日、否定も肯定もせず、失神しそうとだけいってたけど、ほんとなの? なんかぜんぜん疑う気持ちにならなかったんだけど…」

僕は、いきなり聖子に、昨日の話の真偽を確かめるようなぶしつけとも思える質問をした。もちろん、微塵も疑ってはいなかった。だけど一日経って、彼女が“昨日のことはなかったことにしたい”と思っているなら、なかったことにしてもいいんだよという気持ちが僕の中にはあった。もし、なかったことにしたければ、僕はなにも言わずにそれを受け入れるつもりだった。

「それとも、そういう話題はあんまり触れられたくなければ、何もいわないでもいいです…」

「ありがと…。」

しばらく間をおいて、彼女は語り始めた。

「今日1日、Mの気分でした…。晒してしまって、全てを知られて…」

彼女は、僕の真意をわかってくれたのか、あるいは昨日のことに対して、まったく、そんなふうに僕が気を回すような必要がなかったのか、恥ずかしがってはいたが、後悔はしていない雰囲気で、むしろ、昨日より楽な気持ちで今日ここに来ているそんな感じではっきりと応えた。

「おまんこ、見られたのですよね…。きちんと告白しますね。●●●●●●●(フルネーム)は、見られて感じるMです。」

「うん、よく言った。」

僕らの2日目はこんな風にスタートした…。


■伝えられない言葉(想い)

僕らはお互い昨日の体験を振り返って、名前を僕が当ててしまったことに彼女がどれだけ焦ったか…、とか、もし僕が暴露しちゃったらどんなことになるか、なんてことをちょっと気楽な感じで話をした。そして話は、彼女のデビューの経緯や当時の音楽事情に移っていった。自分にとって不本意な形のデビューだったことや、まわりとの実力差、そんな中で自分がどんな風に努力をしてきたか…。そして…。

「好きで選んだ仕事ですからね…。恵まれている方だと思います。感謝です…」

と彼女は結んだ。

「うん、でもちゃんと努力もしたんだから…。褒めてあげます」

と何様?という僕の言葉にも

「ありがとう^^」

と彼女は応えた。このときの聖子がどんな気持ちだったのか、正直僕にはわかっていなかった。昨日のカミングアウトで彼女の中で何かが吹っ切れたとは言え、それで彼女の抱えているペルソナを破壊するほどの露出への渇きが収まるはずもなく、そのMとしての渇望が癒されることはなかったはず。その哀しみが、やはり僕には感じられた。

通常、露出に走るM女性の動機には、ナルシズムの裏返しだったり、元来持っている羞恥心が転換された恍惚だったり、それほど被虐的なものは必要ない。ただ聖子の場合、明らかに被虐的なものがそれ以上に動機となっている。夕べから僕はできるかぎり彼女のことを調べ上げた。ウィキペディア、公式サイト、ファンサイト、ブログ。そして昨日、今日の彼女の告白…。そこから見えてくるのは、彼女の中にある葛藤だ。

ただ、僕はそれをうまくまだ言葉にできないでいた。そして中途半端なまま、そのことを彼女に伝えるしかなかった。


尚人: 思ったんですよ もし また聖子さんが来てくれたら 伝えたいなぁって
聖子: はい
尚人: ふたつあるんです。言いたいこと。ひとつは、まあ、わかりきったことだと思うんですけど、昨日 ほんとうの自分をもっとみんなにわかってほしい! 知って欲しいって言い方をしていたでしょ?みんなの前の聖子さんもほんとうの自分です。べつにただのペルソナだったりいつわりの自分ていうわけじゃない。たぶん それも聖子さん
聖子: うん・・
尚人: よく 表と裏とか二面性とかいうけどちょっと違っていて、赤の毛糸と青の毛糸を縦横に紡いだセーターみたいなもんで、みんなちゃんと 紫色の聖子さんを見ていると思います。意味わかんないですけど・・・w そんな風に思いました
聖子: 赤と青の毛糸を紡いだ…。深いですね…
尚人: 両方 要素でしかないし 両方 ほんとうの聖子さん
聖子: うん…
尚人: まあ こんな言葉で気持ちが楽になるわけじゃないけど それを見てみんな あの紫きれいだなって思っているんだと思うんです。なんていうか・・・ わかったようなこといって不快にならないといいんだけど
聖子: いいえ、考えさせられていますよ。赤と青で紡いだ、紫色…
尚人: けっこうwikiによると かなり芸能デビュー早いから すごく早熟でそういう世間的なペルソナを意識して生きてこなきゃならなかったんだと思うんですよ。だから 普通よりそういうことをものすごく 意識して 本当の自分ってものを感じてきたんだろうなと・・・
聖子: いつもいつも、人から評価されている人生で…。しかも、表の部分…。可愛いとか・・そうじゃなくて、私はもっと汚い人間だよ・・。嫌なことからすぐ逃げて、ズルい…
尚人: うん そういうのが大きくなってM性の肥やしになっちゃったっぽいよね
聖子: 表の一部分の評価なんて、何にも関係ない…。みんなに元気になってほしいと思って歌うけど、自分が一番落ち込んでいたり…。そんな私にみんなを元気づける資格なんてない…そんな時もあります
尚人: でも それも自分ですよw ほんとの・・・それを嘘だって思っちゃう気持ちもわかるけど、そういう無理の仕方をする自分なんです。ぼくもそう… 原稿書きたい・・・でも ここにくるM女さんたちの話を聞いてあげたい!って矛盾した想いがありますw どっちの気持ちも本当。まあ ごめんね たいしたことじゃなくて。
聖子: いいえ
尚人: もうひとつは、それでもそれが聖子さんの本当の姿だというのなら、ぼくは見せていただきました。もうひとりじゃありません。
聖子: ありがとう。
尚人: それにこの僕は、べつに聖子さんの今度はMっぽいところだけを見ているわけじゃないってことです
尚人: ちゃんと赤糸と青糸があるってわかった上で紫の聖子さんを見てますから、安心してどっちの聖子さんを見せてくれても大丈夫です
聖子: はい
尚人: まあ そんなところですw ほんと 悩みの大きさに比例しないつまらない話ですが・・・
聖子: いいえ、私の悩みも、たいしたことないです。
尚人: 僕はね 叔父が俳優やっているんで まあなんとなくそういう世界で生きている気持ちも普通よりはリアルにわかるんです
聖子: わお!
尚人: 名前を言えば知っていると思いますよ 徹子の部屋とかスタジオパークからこんにちはぐらいはゲストで出る俳優なのでw
聖子: 有名なのですか…?差支えなければ、で結構です。え~! そうなんだ。
尚人: ●●●です 母の兄貴です。もうおじいちゃん俳優ですねw(僕は叔父の名前を語った。)
聖子: 知ってます。びっくり・・
尚人: ずっと劇団やっていたんで よく芝居も見に行きました
聖子: そっか・・
尚人: まだ 若かった●●●が楽屋で裸でおどっていたのとか覚えてますw(叔父の劇団の後輩の名前)
聖子: ^^
聖子: 男性の芸能人さんって、裸になるの好きですよね…
尚人: あはははは そうなんだ!ww
聖子: いやらしさがないですね
聖子: あっけらかんとして…
尚人: なるほど・・・!



なんて陳腐なことしか言えなかったんだろう。僕は後悔した。僕は自分の言葉の才能のなさにがっかりした。彼女には多くのファンがいて、彼女が落ち込めば、きっと親身になって優しく、暖かい言葉で彼女を励ましているに違いない。しかしこのことで彼女の力になれるとしたら、それはすべてを知っている僕だけのはずなのに、なにも伝えることができなかった。



■グダグダなSのネットプレイ

僕は自分の非力さから、話題を別のことに変えた。

「昨日はあれから・・・お化粧落として普通に過ごしたんですか?」

「姿見で、全裸の自分を映して…ストリップのステージに立たされてる気持ちになって、両手を後ろに回して、足を肩幅まで広げて…。オナニーしました…」

僕は自分の非力さを忘れて、この言葉に酔った。

「なんて・・・、なんて色っぽいんだろう・・・。なんか惚れちゃいそう・・・」

「尚人さんに、見せなさい…って言われたような気持でした…」

「そっかぁ…聖子さんの仮想御主人様になれたのかな・・・。不思議だなぁ、なんか幸せな気持ちだ・・・。やっぱり僕はSなんだなぁ(笑)。またいつか命令させてくださいね」

「はい…、いつでも…」
「いつでも・・・なんていったら、ほんとにしちゃいますよ」

こんな気持ちの探り合いも心地よかった。たとえ、それが聖子のリップサービスだとしても…。なのに彼女はこんなことを言う。

「ここに来たら、私は奴隷…」

参った。参りました。僕は聖子に惚れてしまった。僕はそんな彼女の想いをもっと解放できるようにと、自分の写真と免許の写しを見せ、これを保険にしてくださいと告げた。彼女はそんな必要はないといって、再び僕に懇願する。

「本名で、言って…わたしは僕の奴隷だ!って」」

とか

「一度っきりで、私が念願叶えてストリップの舞台に立ったら、取材してくれますか?」

とか…。お互い、もう甘く切ない、そしてエロティックな言葉が会話の中にどんどん増えていく。それでも鈍い僕は彼女が今求めていることに何も気づかないヘタレだった。以下そのヘタレぶりとグダグダのネットプレイをご紹介!

聖子: 一度っきりで、私が念願叶えてストリップの舞台に立ったら、取材してくれますか?
尚人: あははは かならず! 取材よりも広報とプロデュースを! やっぱり袖で命令しながら見守りたい
聖子: もう20年近く夢見てることです。
尚人: ポールダンスとか習ってみたらどうです?
聖子: とろい私向きではないですね・・
尚人: そっか・・・。もし本気で安全な露出プレイしたければ
尚人: いや・・・
尚人: なんでもない。
聖子: 続けてください、途中でやめるのはズルい…言って?
尚人: 聖子・・・ 俺の命令で露出プレイを実行しなさい。そのかわり、ぜったいどんなことがあっても聖子を守ってやる
聖子: はい
尚人: こまった人だな 本気にしちゃうよw
聖子: えっと・・
聖子: ^^
尚人: はい? あっ、もしかして・・・今するのかな? 家の中で・・・ひとりなの?
聖子: 命令なら…
尚人: 聖子、今日は、聖子の乳首が見たい気分だ
聖子: マンションなので、ドアを開けて少しなら外に出ることも…
尚人: そっか・・・。ミニスカートかホットパンツは持っている?
聖子: ホットパンツならありますね・・
尚人: じゃあまずノーパンでホットパンツを穿きなさい。聖子、時間は今日どのくらいまであるんだ?
聖子: あと小一時間くらいなら…
尚人: そっか・・・。マンションにはごみの集積所があるね
聖子: ありますね
尚人: はい、あります。尚人様
聖子: はい、あります。尚人様
尚人: うん。そこでじゃあホットパンツの脇からおまんこをのぞかせた写真を撮って戻ってきなさい。できるかな? それは無理って言うときのセーフワードが必要になるなぁ。このぶんだと・・・
聖子: ごみ集積所で、裸になるのかと…
尚人: そのぐらいやりたいのかな? いいよそれでも。もっと恥かしい命令がいいんだね。じゃあゴミ集積所でホットパンツのジッパーを下ろして 乳首にイヤリングをつけた写真を撮りなさい!
聖子: ごみ集積所で、全裸にさせてください…
尚人: ・・・わかった! じゃあそれを写真に取れるか?
聖子: 服を全部ごみにして、そのままの格好で帰ってくる…
尚人: わかった・・・・やっておいで、待ってるから。そうしたらごほうびにオナニーさせてやる
聖子: 非常階段を使えば、ほとんど人に逢うことはありません。
尚人: わかった。尚人様、見てくださいっていって写真とってこい
聖子: はい。心臓、爆発しそうです・・
尚人: うん。かわいい奴隷だ、聖子は。いやらしくて変態的なおねだりをする露出狂のマゾ奴隷だね? 聖子は…。
聖子: できるかな・・
尚人: あははは、もっと深夜がいいのかな?
聖子: まだ人通り、ありますよね…
尚人: じゃあ念のためコートをもっていくことを許す! これでどうだ? あまり優しいとかえって物足りなくなっちゃうかなぁ・・・
聖子: コート、いりません・・・
尚人: そっか・・・。じゃあ急いで行ってこい
聖子: はい・・


どうよ? このグダグダぶり(笑)。
僕は最近、評判がいい。M女の気持ちをよくわかっているS男性として、チャットのM女性の常連たちの評価もそこそこ高いし、会話もそれなりにソフィスケートされていると自分でも思う。でもそれは相手の考えていること、思っていることを瞬時に察して行動に移すということではなく、自分なりの思考回路を屈指して熟考することができる場合のみ。だから何度か話したり、相手の情報が自分の中に蓄積されていれば対応できるが、つきあって日が浅い上に、リアルタイムで相手の思いをくみ取るのは、麻美編でも自己分析しているように、鈍いと思う。それにこのとき僕は、彼女の醸す雰囲気に舞い上がっていたのだ。それが如実に表れたのがこのときだった。

僕は彼女の露出への欲求、その大きさを測り間違えていた。それは僕が考えているよりずっと過激で強いものだった。昨日のような室内でのプレイならば、彼女は自分を抑えることができ、僕のコントロール内で自分を高めていくことができるのだが、こと露出となればその欲求は極端にエスカレートする。しかし、それが実際にプレイとして成立するかと言えば、難しい。欲求の大きさ、過激さに比して、その行動の難易度は飛躍的に上がるのだから。だからこそ、僕は控えめな命令しか出せなかったのだ。リアルな露出プレイの指示経験者としてはそれが当たり前。…まあ、負け惜しみみたいだけど…(笑)。

聖子: ただいま・・・
尚人: おかえり・・・ 報告してごらん
聖子: 結論から…さすがに人の声もまだしている時間で、全裸で帰っては来られませんでした…
尚人: そお・・・ じゃあどうしたの?
聖子: ごみ集積所でパンツおろして、胸をはだけて…
尚人: うん
聖子: 1階にも人の気配がするので、エレベーターを待っている人が・・
尚人: それで?w
聖子: 壁に寄りかかって、しばらく…それが限界でした…
尚人: そっか。かなり大冒険だった?
聖子: はい
尚人: できないことをできるようにしていくのが調教・・・だから今度またがんばるんだよ
聖子: 玄関から少し外に出たことはありますけど…ここまでは…
尚人: そっか。写真も撮れなかった?
聖子: 写真どころではないですね…
尚人: じゃあ、お仕置きだね。命令実行できなかったお仕置きを受けたい?
聖子: はい
尚人: じゃあ、乳首にイヤリングを挟んでぶらさげた写真を撮りなさい
聖子: すみません…ハードル高いです…
尚人: そっかぁ…(笑) オマンコの写真はさらせるのに・・・(笑) じゃあ、どうしよう 最初の予定みたいにホットパンツからはみだしたオマンコ写真でも撮ってみようか?
尚人: あれ・・・ これも無理かな
聖子: おまんこさらした時は、まだ私は仮面をかぶっていて、なんていうのか、今は、とても生々しくて…
尚人: なるほど・・・(笑)言いたいことわかった 素性が知れて羞恥心もかなりアップしちゃったんだねw
尚人: じゃあ どんなことにしよう? 184発信で電話して ●●●●●●は尚人様の淫乱変態奴隷ですっていって切ってみるっていうのはどうw?
聖子: 羞恥心をあおりますね・・
尚人: あんまり、むずかしく考えないでいいよ。聖子さんのハードルがいまどのへんか探っているから、命令をできないことを残念がる必要はまだない
聖子: はい・・いざ人から命令されると…。
尚人: あれ? もしかして すごく困ってる?
聖子: 顔も入った全裸写真…
尚人: ん? 写真撮ってたの?
聖子: もう少し調教していただいて、晒せるように・・
尚人: なんか 困ってる?
聖子: アップロードまでしましたけど…(最後のクリックができなかったということらしい)
尚人: うん。気にしないで・・・。聖子さんが気持ちいいことがしたい。じゃあ今日は言葉で・・・ってまだ時間大丈夫なのかな・・・
聖子: そろそろ、ですね。
尚人: じゃあ 一個だけ
聖子: はい
尚人: 私、 ●●●●●●は 今後、尚人様好みの露出大好きな変態奴隷になれるように尚人様にもっともっと調教していただきたいです。 どうか聖子を尚人様の奴隷として調教してください! っておっぱいも見ながら声に出してくれる? そしてそれをしたら もっと聖子さん自身の言葉でこういったことを言って欲しい
聖子: わたくし●●●●●●は、尚人様好みの露出大好きな奴隷になれるよう調教されたいです。そしていつか、尚人様のご命令で大勢の人の前で晒されることを覚悟します。
尚人: どう? 自分で言語化するとどんな気分?
聖子: きっと深夜、また1階に行きそうな…。わたし、これからどうなってしまうのか・・
尚人: そっかぁ・・・w けっこう昨日から 自分がエスカレートしているのを感じているの?
聖子: はい
尚人: ちゃんと導いてあげたいな・・・
聖子: 今ね…驚くかもしれなけけど、
尚人: うん?
聖子: おまんこの毛を自分でライターで焼いています…
尚人: 剃るための下準備?(笑)
聖子: 女性同士のリンチでよくある、って何かで読んだことがあって・
尚人: ほお
聖子: 切ない時に、時々やるんです…
尚人: そっか…また切なくなっちゃったんだ・・・
尚人: もっと時間があって余裕があるならいっぱい命令してあげるんだけど・・・
聖子: 燃えてる・・
尚人: www
尚人: おもしろいなぁ・・・
聖子: おまんこの毛が燃えてる…
尚人: それで、聖子は興奮しているのかな?
聖子: はい
聖子: 自分でもよくわからない・・また、お話ししてください。
尚人: 今日 風呂場で僕を思ってオナニーしなさい
聖子: はい
尚人: いや、違うな今日から一週間、毎日僕のことを考えてオナニーしなさい
聖子: はい、ありがとう…。こんなに自分が弱いとは思わなかったよ…
尚人: どうして? 弱いの?
聖子: このまま、Mに堕ちちゃいそうです…
尚人: いやなの?
聖子: わからないです・・その私が、●●年近く私を支えていた気がします…
尚人: Mでいたいんだと思った
聖子: いたいけど、だめだという私もいる…
尚人: じゃあ…、あんまり刺激しないほうがいい? どっちもできるよ? 強引にどんどん聖子さんをMにしていくことも やさしく話をきくだけの交流も・・・
聖子: ありがとう…
尚人: まあ、さっきも言ったけど、どっちも聖子さんだから
聖子: はい、無理せずに・・今日も長い時間、ありがとうございました。
尚人: はーい。楽しかったです。ドキドキでしたね? ゴミ集積所はww
聖子: はい、では・・おやすみなさい。
尚人: うん おやすみなさい



彼女は自分で自分を罰したかったのだろうか? それとも実行できなかった悔しさなんだろうか…。アンダーヘアを火であぶりながら、自分を追い込んでいった。正直、以前つきあっていたリストカット常習者のM女性を思い出す。なにか危険なものを感じた。そしてそれと同時に、そんな自分を制御しようともしている。また彼女の葛藤が言葉から伺える。

(あれ? でも、ということは昨日はアンダーヘアを剃毛しなかったのか…。昨日フルネームがわかってしまったとき、一番最初の答えが、“おまんこの毛剃っちゃおうかな…”だったのに…)

そんなことも実はちょっとだけ思った。彼女は衝動的、突発的な高ぶりを抱えながらも、それをなんとか押さえ込もうとしている。そういう高ぶりは一瞬で、すぐに日常に切り替わってしまうのか…。よくわからなかった。でもこのとき強く感じた。彼女にはそばについていてやれる導き手が必要だと。そして彼女も無意識だろうが、そのことに気がついていると思われた。誰かを求めている…。ひとりで抱え込むことは限界なのかもしれない。それがおやすみといった後の次の会話からも感じられて、僕は甘く切ない気持ちになると同時に、その哀しみに心が揺れた。内容はとてつもなくはしたないんだけど…(笑)。



聖子: キスしてください…
尚人: どこに?
聖子: おまんこに…
尚人: じゃあ 魅力的な唇と かわいいおでこと ちょっと焦げ臭いおまんこに・・・ チュッ チュッ チュッ
聖子: はい
尚人: じゃあ 咥えて下さい
聖子: はい
尚人: 公衆の面前でぼくのチンポ 加えたところ想像して オナニーしてね
聖子: おちんちんの先に…チュ…
尚人: みんな見てます。そんな聖子のこと・・・ あっ! 変態だって
聖子: ファンの前で・・咥えます。みんな見て・・私のご主人様です…ご主人様の前では、私はただの変態M奴隷なんです。
聖子: では…
尚人: はい。おやすみ
聖子: おやすみなさい


■ゆきこと聖子

次の日、僕は管理人室をもはや常連のたまり場と化していたため、そこはパーティルームとして固定し、それとは別に2SHOT用の部屋を作った。もちろん聖子専用というわけではなかったが、パーティで楽しみたいという人たちが増えれば、それと同じぐらい僕とじっくり話したいと思う女性もいる…、聖子のように。それを想定してのことだった。

その新しい部屋へ彼女が来て、今日はあまり時間がないと言いながらも、彼女は僕のブログを読み、その感想を僕に伝えてくれた。麻美の話、そしてゆきこさんのこと…。ふたりに自分が似ていると言った僕の言葉を彼女は理解したようだった。特に“ゆきこさん”に関してはその心情を自分と照らし合わして強く共感したことを僕に伝えてくれた。

「体が熱くなってきます。ストイックな面を追いかけなければならないのに、違う方向に行ってしまう自分…。わかる部分が多いですね…。恥ずかしい自分を見られたい…。危ないことをしちゃいそうな…っていうのも、すごくわかります。痛いほど…。」

「彼女もね、ぼくに写真見せたがるんですよ・・・。ネットでいっぱい晒されているらしいんですけど、それを僕に言うんです。検索したらすぐ出てきた…。とかね。なのに絶対URLとか教えてくれない。なんか私を探して! 見つけて!っていわれているような気がします」

「言ってるんですよ。見つけて、って。見つかるかもしれない、そのドキドキ感。言葉では表しきれない、Mの想い…。わかりますね…わかってほしいんですよ…。私と同じです…。その新体操の方は、今もこちらに…?」

「頻度にムラはありますけど、メールアドレスを交換しているので、メールのやりとりや、メッセンジャーでチャットもときどき。リアルで逢うことはたぶんないでしょうけど、普段は映画の話とかでふつうのおしゃべりをしています。まあときどき彼女が欲していると…、エッチなこともしちゃいますけど(笑)」

「尚人さんの所にM女性さんが集まるの、わかるような気がします。良い関係ですね…」


この最後の聖子の言葉…。別に彼女からいただいたお褒めの言葉として自慢で記載した訳じゃない。このときは、まだ少しだけ、心に引っかかりを感じただけだった。僕は彼女が発したこの言葉の本当の意味をもっと後になって理解したのだ。たぶん、彼女は無意識だったろうけど、そこにこそ、彼女の想いのすべてが凝縮されている、そのことに僕はこの後、気づくことになる。


■哀しみのカレット(顔文字)

僕は昨日の非力な自分の二の舞になるのを恐れて、弱気になっていた。それでも僕は彼女の心に触れ続けたいと思い、その気持ちを伝えた。

「でも、3人を比較するとパブリックイメージが一番大きいのは聖子さんですからね。自分を露出したいという想いもそれに比例してかなり大きいと思います」

「パブリックイメージ・・・?」

「聖子さんのM性…。普通の人と違うとすれば…。こういうところに来る人は、普段の表に出せない自分を吐き出すために普段の自分を忘れに来るんだけど、聖子さんの場合はそうじゃなくて、普段の自分ありきで、あえてそれも露出してその上でそのイメージを壊したがっているってところあるじゃないですか? それってかなり強いM性でもあるし、同時にそれだけ公のイメージと普段から悪戦苦闘しているんだなって思いました。…まあ、オマンコの写真晒したときは・・・意外といつもとちがうところでぶっちゃけちゃえ~って感じもありましたけどね(笑)」

僕は自分が本当に言いたいことをここまで言えないでいた。自分の中にどんな感情がわき起こっていたのか、自分でもよくわかっていなかった。それに気がついたのは、次の言葉を彼女に投げかけて、その答えを聞いたときだった。

「でも、聖子さんは、きっとツアーとか始まったら、ここでのことは忘れて、普段の自分にちゃんと戻って、もうここには戻ってこないんだろうなぁ・・・ってちょっと思ってます。ツアー日程見てたら、もうすぐ僕の生活圏でライブあるんだな・・・って。行って歌聴きたいなって思ったけど、そんなところにまで行って顔とか見せたら迷惑だろうなぁとかね・・・。考えてます」

「^^」

その答えはカレットふたつのシンプルな顔文字。普通は照れ笑いとか「エヘヘ」とか、そんな軽い笑顔を意味する。彼女がこの顔文字で僕の言葉に応えたことが僕は辛かった…。

(あっ…。そっか…やっぱり)

なんだろう…。哀しかった。そして同時にそこに彼女の哀しみも感じたのだ。たぶんなにも深い意味はない。特別な意味を彼女がそこに込めたわけでもない。これはすべて僕の勝手な思いこみ…。でも無意識だからこそ、僕は気がついてしまった。そこにある彼女の想いを、そこまでに至る彼女の人生を…。僕は思った。なら僕にできることはもう一つだけ…。


■別れの予感

「だから、貴女がいなくなる前に…、ほんとは聞いてもらいたかったんです。でも、やめました。さわらないでおこうかな・・・って」

「途中で言いかけたことをやめるのは、やめた方が良いですよ…。気になります」

「聖子さんのことね…。ブログに書きたかったんです。もちろん個人情報がばれない範囲で」

「そっか…うれしい」

僕は、いずれくるだろう別れを予感した。だとすれば僕にできることは、彼女の想いを、彼女の願望を僕が言葉にしてこのブログに書き綴ることだけだと思った。名前が知られることを恐れる彼女のような立場の人間が、それを拒むことは十分に考えられたが、僕は彼女がそれを望むだろうことを予期していた。リアルで彼女のMとしての露出願望を満たしてやることは不可能だとしても、僕は僕のやり方で彼女を裸にして晒すことができる。僕は自分の言葉の力を信じていた。そして彼女を晒し官能を与えることができると自分のSとしての力を信じていた。それが別れの前に僕が彼女にできる最後のことだと思ったのだ。

僕はこのブログのオーナーとして、できたばかりのSMコミュニティー新月の管理人(ホスト)として、その立場について考える時間が増えてきた。女性たちは僕と話をして、僕とコミュニケーションをとり、交流してそして去っていく。彼女たちが迷い、悩み、さびしいとき、僕はここにいる。いろんなことを発信しているのは僕だけど、実際これは“待ち”の作業だ。攻撃型の性格の僕としてはこれは思いの外、しんどい作業だ。そして切ない。

僕は自分の長いネットコミュニティ体験からネットでのコミュニケーションとリアルなコミュニケーションに違いはないと考えている。実社会と同じ比重でコミュニケーションをとることを信条としている。しかし、そうじゃない人は多い。だから、そこに温度差も生まれるし、別れは実際の別れと同じくらい心に響く。先日も、ある女性から「今日はお別れを言いに来ました。もうここにはきません」と言われた。切なく、寂しい思いで心が痛んだ。ホストという自分の立場に忠実でいようと思えば、これに慣れなければいけないと思う。カウンターバーのバーテンダーのように、宿屋の主人のように…。来る人を迎え、去る人を見送る…。

さしずめ僕は、SMという森のレンジャーのような者かもしれない。迷い込んだ人を山小屋に案内し、暖をとらせ、食事を用意し、暖かい毛布を与え休ませる。そう…、最初に彼女は言っていた。彼女もこの迷いの森を彷徨っていたんだった。ネットを彷徨いここにたどり着いたひとりのオンナ。彼女が元気になれば、ちょっと森の散歩につきあって、この森の見所を説明したりして…。そして森の出口まで案内して、彼女を見送る。

なのになぜ、僕は、こんなに別れの予感に怯えているんだろう…。今までだって、何人もそうやって見送ってきたのに…。

尚人: もうすぐツアーだし なんか それとともに もう2度と逢えない気がして、たぶん 間に合わないかなって 思ってます。だから・・・昨日 キスして って言われて ちょっと泣けてきました。
聖子: こんな仕事してるので、それなりに色んな男性に抱かれました…
尚人: ごめんね。 勝手なことばかりいって
聖子: 断れないときも…
尚人: そっかぁ・・・
聖子: キスなんて当たり前で、車の助手席に座っていて、信号待ちで突然されたり・・優しいキス、ってあまり想い出になくて…
尚人: そうなんだ・・・ キスは すごく いいものだよ
聖子: まず、キスされたい・・って思います。奪うためじゃなくて…その反面、屈辱的にキスされることも嫌なわけじゃない…自分でもよくわからない…
尚人: あははは らしいなぁ。僕はSMにも 優しさや愛情はあるんだって 知ってほしくてブログ書いてますから
聖子: その想い、感じました。
尚人: そっか、ありがとう
聖子: どこかで優しさがなければ、ただのいじめ、わがままの押し付け合いです…
尚人: ですね。だから聖子さんには、いい主がいたら幸せになれるんじゃないかなぁって思います
聖子: この間私がお話しした、ストリップに引きずり出されて、命令調だけど諭すように…。聖子、見せなさい…って言われたい。
尚人: いってあげたい・・・。そのあとで、興奮した聖子と思いっきり激しく愛し合いたい。聖子さんてすごくエロティックなときでも感情がほとばしっているんですね。
聖子: そうですか…?
尚人: なんか、それがこっちにまで伝わってきて、すごく切なくて甘い気持ちになります。
聖子: ありがとう…って言って良いのか…
尚人: あははは! 危険なオーラです!! ……聖子さん、ブログに書かれてみたいですか?
聖子: ブログに、書いてください。
尚人: 前もって 見なくて大丈夫ですか?
聖子: もう信用してますから。


僕は自分の想いに踏ん切りをつけるためにこんな風に彼女へ僕のブログを贈ることを約束した。だけど未練らしく…余計なことを付け加えてしまった。

「今日、ペットショップになにげなく行ったんですけど、なんか首輪ばっかりみてました。これ、僕の街のライブのとき、そっとプレゼントしたら驚くだろうなぁ・・・とか妄想してました」

「……乳首につけるチェーン」

「え? はい?」

「うそですよ、本気にしないでいいですよ」

まったく、この女性(ヒト)は…(笑)。彼女は一生懸命、否定し続けながらも、彼女の気持ちが伝わってくる。

「プレゼントとかって、スタッフに見られることも多いですから…。でもしてみたいですね…。ネットで調べて、眺めることがあります

彼女はそんな僕想いを汲んでくれたのか、あるいは、またいつもの発作(笑)なのか、突然言った。

「裸になっていいですか?」

来客の予定があるから、今日はあまり話せないといっていたそのぎりぎりの時間でいきなりこんなことを言う。

僕はなにも問わずに彼女の想いに応える。

「聖子、僕の前で裸になりなさい」

「全部脱ぎました…。乳首、起ってます…。聖子は尚人様の命令で強く乳首を摘んで感じてます」

「気持ちいい…」



この後、母親が来たということで、ふたりはこの会話を終えたが、居間でテレビを見ている母親を横目に彼女は、1時間後、再びチャットに現れた。そのとき彼女は、チャットのアイコンを自分の写真に変更して現れた。

「えへへ…」

と笑い説明を始めた。

「この写真、横になって、足を広げてます。この顔、恥ずかしくて、でも喘いでいる顔です…自分で自分を縛っています・・・胸を絞り出すように…。けっこうよく撮れたので、消さないでとってある1枚です・・・」


彼女はすぐに母親の元へ戻っていったが、これは僕に見せたかったのか…、それとも僕に対するなにかしらお礼だったのだろうか…。そんなことを考えた。


■冷たい単語

一日後、僕はブログに聖子のことの前半を書き上げアップした。(参照:CASE4-1 ペルソナを打ち砕く露出願望の歌姫 聖子の場合)


このエントリーは思っていた以上に評判がよかった。僕はこの記事だけは、普段と違ってみんなに読んでもらうためではなく、聖子のためだけに書いた。しかし、そのことが逆に読み手の心に何かを残したのかもしれない…。そして何よりもうれしかったのは、新月の常連たちの誰一人として、彼女の正体を僕に詮索しなかったこと。そしてもちろん、この話を誰一人、僕の作り話とも思っていないということだ。

「ブログ読みましたか? まだ半分だけどアップしました。なんか問題ありますか? あったら言って下さい。修整でも削除でもしますから」

早速訪ねてきた聖子に僕はすぐに尋ねた。

「5回くらい読みました…。何もかも分析されて、丸裸にされているみたいです…。自分でも気づいていなかった心境まで書かれていて、ドキドキしっぱなしでした…。鋭い分析力だと思いました。」

分析…。そんな冷たい単語で僕の気持ちを語らないでほしい…。いつもは自分のクールさにプライドを持っているはずの僕は自分のそんな心境に自分でも意外な気がした。

「そう、一つ言っておけばよかったな…と思った事があります。」
そう言って彼女は、付け加えてほしいらしい新しいエピソードを披露する。

「初めてデジカメで自分の恥ずかしい写真を撮ったのは、何でしょう…?」

(なんかかわいいな(笑)。この質問スタイル…)

何日も会話をしてきて、気心が知れた相手との会話になってきた雰囲気が僕の気持ちを和ませた。

「う~ん 胸かな・・・」

「スカートの中にカメラを入れて…です。」

「あはははは。もう・・・聖子さんって、ドスケベだなぁ(笑)」

「でも手ブレしたり暗かったりで、うまく撮れなくて、床にカメラを置いて、カメラをまたぐようにしてセルフタイマーで…。下着をつけてでしたけど。写った画像を見て、凄い興奮しました。」

彼女のその話を聞いて、僕は自分の嗜好との差を感じて、そのことを彼女に尋ねた。


■懺悔

「聖子さんはセクシーな自分とかきれいで淫靡な自分とか、そういうことにはあまり惹かれなかったんですか? もっと露骨で恥かしいものに強くこだわっているみたいですね」

「そういう自分は仕事で十分、って思うのか…。」

僕の記憶の中では彼女のタレントとしてのイメージは、そんなセクシー路線じゃなかったのだが、それでもアイドル的な要素もあった彼女のイメージから、たぶん彼女の中ではそういうきれいな自分を否定したいという気持ちがあったのだろうと伺えた。

「路線って自分が作るものじゃなかったので…。みなさんが見ている私は、かなり違いますね…私からすれば…。デビュー前の方が、私は大人びていたと思います。髪も長かったのを、デビュー時にはショートカットにさせられて…」

「あのころの定番のヘアスタイルですね。パーマをちょっとあてて」

「時代でしたね…。自分でも早熟だったと思います。初体験は、15でした。看板に、多少の偽りあり…のデビューだったかな…」

この日の彼女は饒舌だった。自分の身分を明かさなかった最初の頃以上に。そのことでブログを読んで僕を信頼してくれていることが伝わってきた。そして彼女はこの日、僕にデビューから今日までの男性遍歴、そしてその歌手活動の裏の部分、ショービズ界の暗部に飲み込まれていったスキャンダラスな自分の経験を赤裸々に語った。

初めのうち、僕はあまりその話に興味が持てなかった。あまりにもそれは通俗的でありがちなショービズ界の裏側だった。僕らは知っている。誰一人として見たこともないのに、なぜだか、それを事実として受け入れている。そしてこの手の話が好きだ。だから、噂としていくらでも流通している…そんな類の話だ。なのに、もう飽きている。それは僕らにとって、このようなショービズ界の裏側というものが、ニュースでも事件でもなくただの娯楽でしかないということだ。初めは僕もそんな感じで聞いていた。
だけど、彼女は最後に言った。

「この話は書かないでくださいね。なんか生々しくて…」

その言葉は、僕がまったくの思い違いをしていたことに気づかせてくれた。彼女の体験として、駅のホームの反対側の人におっぱいを見せつける方がよっぽど生々しい体験だと僕は思っていた。読者の多くもたぶん、その過激さの方が刺激的で生々しい体験と感じるはず。ここまでなんでも正直に話し、晒してほしいと願っている彼女が、書かないでほしいといった唯一のエピソード。

これは彼女が自分を晒す羞恥プレイではなかった。彼女の懺悔だったのだ。

考えてみてほしい。たぶんここに書かないこの彼女の語った話をを多くの人はほぼ正確に想像できていると思う。そのくらいの読解力・洞察力がない人間は僕のブログは楽しめない。それが16歳の少女に起こった本当の出来事で、自分の身に起こったこととして想像してほしい。通俗的でもう聞き飽きた娯楽としてのスキャンダルではなく、自分自身のこととして考えてみる。彼女には当時、恋人もいた。親もいた。誰にも言えない。ファンに見せる自分、プライベートで親しい人間に見せる自分、そしてそのショービズの暗部に飲み込まれていく自分。彼女は10代でそれを使い分けて生きていかなければならなかった。自分の唄う世界とかけ離れた心。枯れていく純情。全部、自分のことだ。それは確かに露出とは違う生々しさを本人が感じるのは当たり前のことだった。

僕はそのことに思い至ったとき、そしてその彼女が今、ネットを介して自分と心を通わせ、それを告白しているということに何故だか涙が出た。

本人はもちろん、意識していないことだろうが、彼女のこの言葉が懺悔だと悟ったとき、僕は彼女の抱えている甘さ、切なさ、渇き、そしてペルソナを破壊するほどの大きな露出への想い、そのすべてが繋がって、実体としての彼女をとらえることができた。僕はその実体としての彼女を思い切り強く抱きしめたかった。


■言葉を探す

僕は言葉を探していた。彼女に伝える言葉を…。でもその前に、このまとまりのない今回のこのテキストを少なくとも誰にでもわかる形でまとめておかなければならない。このままだとたぶん、誰にも、もちろん彼女にも何も伝えることができないまま、別れがやってくる。これから書くことは、彼女に聞いた話でもないし、事実でもないかもしれない。ただの僕の思い込み、想像、妄想…かもしれない。でも僕は、そうやって彼女の心に触れていくことしかできないのだ。

前回、彼女の露出の本質が、その名前というペルソナを打ち砕くような形での露出であることを考察し、ほぼ彼女もそれを認めた。でもなぜそんなことを望むのか、普段の自分を忘れ、ほんのひとときMとしての快楽に溺れるのではなく、自分のすべてをさらけ出し、ファンの前で自己破壊しながら昇り詰めたいと思うその衝動がどこから沸き上がってくるのか? それについては書けないでいた。そういう願望もあるんだろう…ぐらいで思考を止めていた。

いまから、そのことを究明していく。そのためには前提となるいくつかのことを、蛇足と思いつつもみんなに知ってもらいたい。


■芸能人という人種

彼女との会話のLOGでも語ったことだが、僕にはそこそこ名の知れた俳優の叔父がいる。それに仕事柄、芸能人や著名人といった人々と取材やインタビューを通して、あるいはその人たちの広報的な仕事を通して普通の人よりは、彼らのことを理解している。

彼らは二つの側面を持っている。“普通の人”である側面。言い方は気持ち悪いが彼らも一般人と同じ側面を持っている。それは疑いもない。でも、なんかわかったような気になって「彼らだって普通の人間、なにも変わらない」なんて考えている人もいるかもしれないが、それはちょっと違う。彼らはどうしようもなく芸能人という特別なクラスの中にいる。いや、そこにしか居場所がないのだ。周りはみんな自分のことを知っているのに、自分はその相手のことを知らない。この気色悪さが彼らを“普通の人”ではいられなくする。もちろん、この“みんなが自分を知っている”ということこそが、彼の価値であり、芸能人としての証でもある。

そして彼らの特殊性はその職能そのものである。メディアを通して露出する機会が多いため、それが返ってそのことを見えにくくする。彼らはその特殊な職能に生きている。そのためにその分野での広い知識と教養を身につけ、そのことにかなり自覚的である。もちろんジャリタレとかバラエティタレントとかの話じゃない。たとえば叔父は俳優という職業柄、時代劇で実在の人物を演じることなども多い。そんな場合、演じる人物に関してかなり深い知識と、その内面を探るための努力をして役を作っていく。つまり演じた人物の数だけ、かなりの博学になる。知識と教養でたいていの人間には負けないと自負する僕でさえ、叔父がそうやって得た話は面白い。しかもこれは物書きにも言えることだが、アンテナを張っていればそれだけで欲しい情報が飛び込んでくるという機会も増える。しかも芸能人の場合、名前が知れている分、その機会も多く、いろんなところでVIP待遇で一般に公開されていない情報を目にすることも多い。

別に芸能人だけが、職能を極めているなどと言うつもりはない。ただ彼らの職能の最たる部分は、それは人間であるということではないかと僕は考えている。彼らは人間のその感情や行動に対して、常に真正面から見据え、意味を知らなければならないポジションにいる。人の心、感情を考察し、その意味を知り、それを芸に活かす。それが演技だったり、音楽だったり。僕らはそこに感動する。そしてそのことが彼らの生き方にも大きく影響し、多くの芸能人の生き方を苛烈なものにしていく。ある人物はストイックにそれを追求し、ある人物は奔放に…。成功でも破滅でもその生き様はメディアを通して僕らのケーススタディとなって蓄積されていく。そのプレッシャーは僕らには計り知れないものがある。彼らは職業として正でも負でも人間を極めていくことにで秀でた存在でなければならないのだ。

だから、こんな芸能人にとって、ぬるい生き方をしている一般人は実はちょっとだけ物足りない存在になってしまうことも正直ある。それは奢った感覚ではなく、そういうレベルでの会話、意思疎通ができないことへの焦燥だったり、孤独だったり。ときにはそれが孤高として彼らを輝かせる。そういった感覚を彼らはどうしても日常の中で感じずにはいられないのだ。自分を商品として高めていくということは、それだけ一般の感覚とずれていくということでもある。

だから彼ら、彼女らの人間関係は、広いようで狭い。どうしてもその世界を共有できる人間とだけ、意思疎通を諮(はか)る、そういう傾向にあるというのもまた事実なのだ。同じ職業、周辺職業、業界どうしてもそういうところに偏ってしまうケースが多い。


■ファンとの距離

さて、話をもう少し聖子のことに近づける。僕は以前、チャットに関する本を書いたことがある。もう10年以上前のことだ。その中で内田有紀さんへインタビューしたときのこと。丸の内のネットカフェでマネージャーも同行しておらず、僕らは撮影も兼ねていたので明るい窓際に陣取ってお茶を飲みながら話をしていた。窓の外を通る人たちは、彼女に気がつき何かをささやきながら、通り過ぎていく。僕は彼女に自分のオフィシャルサイトにチャットルームがあることに関して質問していた。今あるかどうかはわからないが、当時、彼女はオフィシャルサイト内にチャットルームを設けファンと交流していた。基本的にはファン同士の交流がメインだが、そこにたまに本人が登場して参加するのだから、ファンにとってはうれしいサービスだ。記事には書かなかったが、僕が一番印象に残ったのはこんな会話だった。

「こういう交流は楽しそうですね。オフ会とかやって、実際に会ってみたいとか思いませんか?」

「別に…、思わないですね」

短く彼女は応えた。言っておくけど別に彼女は不機嫌だったわけでも、ファンをないがしろにしているわけでもない。ごく普通、僕らは普通に会話をしていて、彼女はちゃんとそれに受け答えしていた。彼女のさっぱりした性格の一部がちょっと覗けただけで、悪い印象ではなかったことを付け加えておく。沢尻○リカじゃあるまいし…(笑)。

それでも、この答えは僕には面白かった。そっか、そんな感じなんだな…。今思えば彼女は当然のことを言っただけだと思う。ファンは大切だが友達ではない。そこに僕は芸能人とファンの距離というものを感じた。

ここからが本題。聖子の話に戻る。歌手として、しかも自分で作詞や作曲を行う彼女にとって、その楽曲は自分自身だ。そう思えないときもあるかもしれないが、基本的には自分自身の心情を歌にする。そして聴く側もそれに共感し彼女の想いとして受け取る。そして彼女を好きになり、ファンとなる。

普通に考えた場合、僕らが自分の心情、想いを口にして、それが相手に伝わり、それを共感、支持してくれて自分を好きだと言ってくれたら、どうだろう…。それはもう友達、親友、恋人ぐらいの距離感を持つんじゃないだろうか…。まして歌という一番想いのコアな部分だ。下手をしたら友達や恋人にも打ち明けられない心情に彼らは応えてくれるのだ。

しかし、そんな自分の心と共感関係にある仲間を、歌手は友達にはできないのだ。その寂しさ、苦しさがわかるだろうか? ちょっと考えてみればわかることだが、このコミュニケーションは個人対圧倒的多数のコミュニケーションだ。個人対個人のコミュニケーションとは違う。そこにどんな共感があろうと、理解と支持があろうと彼女は自分の想いを受け止めてもらうだけで、個々のファンの想いを個別に受け取ることはできない。それは物理的にも精神的にも絶対にできないことなのだ。厳密に言えば一対一の双方向コミュニケーションはそこにはない。

なので彼女はファンを個人個人ではなく、ファンという総体として捉えることしかできない。僕にも経験がないわけでもない。高校時代、僕のモテキの黄金期(笑)。僕には他校にまでファンクラブがあったらしい(笑)。僕は県内でも有数の進学校で生徒会をやって、バンドをやって、バレー部のエースだった(今更、こんなこと書くのすげえ恥ずかしい!)。結構、モテまくっていたが、ひとりひとりとコミュニケーションとるなんてことは時間的に不可能だった。そして仕事に就き、初めて自分の名前で本が出せて、それにファンから手紙が来たとき、僕は喜んでその人に長文の返信をした。だけどその後、その量が圧倒的に増えたとき、僕はお礼状を印刷した。彼女の場合は当然、そんな僕の比じゃないだろう。

自分の心を一番理解してくれる位置にいるファン。それを総体としてしかみることのできない哀しさ。そして裏でそのファンを裏切るような自分自身のM性、さらには業界で汚れていく自分。この葛藤に彼女はずっと悩まされていたのではないだろうか? 実はこれを読んだ聖子が何をバカなことを書いているんだ!この男は。と思ってくれたらいいと思っている。確かにここまでのことはすべて僕の勝手な推測でしかない。でも見るからに彼女にはこの業界で生きていくためのしたたかさが欠けていた。あるいは、そのことに悩めるだけの純情さが多く残っていたといえるのかもしれない。それは彼女の経歴を見るとわかる気がするのだ。

しかも、彼女の歌手生活はかなり長い。その中で当然、浮き沈みも経験してきただろうし、支持者の数も増減してきたに違いない。今も地道な活動を続けている彼女は、今、長い間支持してくれたファンを総体としてではなく、一人一人の人間として見えるようになってきているのではないだろうか? 10年以上、いやもっと長い間、毎回、ステージに来てくれているファンの顔を彼女が覚えていないわけがない。ファンが人間に見えてしまえば、彼女の中の葛藤はより大きくなっていく。 

彼女は最初のネットプレイの時、叫んだ…。

「ああ、オナニー見られている。みんな、私がオナニーする姿なんて想像しない・・・」

「私は音楽をやっていて、このレッテルをはがすわけにはいかない・・知られるわけにはいかない。壊すわけにはいかないんです、絶対に…。ファンのみんな、応援してくれているのに・・裏切れない。でもやっぱりせつない、ほんとの私を知ってほしい、ってみんなの前で、犬みたいになって咥えてあげて私を使って気持ちよくさせてあげたい。みんなの前で、おしっこも見せてあげたい。飲んでほしいくらい…。きっとそこまで、みんな私を慕ってくれてる・・・。」

それが彼女の気持ちだ。そしてMとしての自分を晒したいと思うと同時に、彼女は詫びたいのだ。そんな大事な彼らの前で、いつわりの自分を見せていたということを…。それが彼女のMとしての贖罪の仕方なのだ。彼女が僕にした懺悔のような告白はその贖罪の意味が込められていたのだと僕は悟った。そして彼女が僕のこのブログとコミュニティに対して、

「尚人さんの所にM女性さんが集まるの、わかるような気がします。良い関係ですね…」

といったのは、彼女自身、自分の周りにそんななんでも話し合えるファンとのコミュニティを作りたかったという告白ではなかったか…と思えてならない。

聖子さん…。貴女は美しい人だ。まるでマグダラのマリアのようだ。僕は彼女のすべての告白を聞き終えた後、そんな風に思った。

マグダラのマリア
キリスト教の「新約聖書」の登場人物の中のひとり。聖書では、イエスに「七つの悪霊を追い出された」ことにより、彼の伝道に同行し(Luke8:2)、イエスの十字架での刑死後、その復活を最初に目撃した人と伝えている(John20:1-18)

マグダラのマリアは、若き日に若さと美貌に溺れ性的に放埓な生活を送っていた彼女は、イエスにより改心し、それまでの享楽の生活を捨ててイエスに従ったと考えられている。




僕は彼女の抱えている甘さ、切なさ、渇き、そしてペルソナを破壊するほどの大きな露出への想い、そのすべてが繋がって、実体としての彼女をとらえることができたこのとき、心から聖子のことを抱きたいと思った。諭すように彼女に命令を与え、思いっきり卑猥に、思いっきり優しく彼女の飢えと渇きを満たしたいと思った。けれど、そのことで彼女が解放されるとはどうしても思えなかった。

僕は初めて彼女と会話した日、彼女が放った言葉をもうひとつ思い出した。

「わたしを、ファンから奪ってください…」

これは激情に駆られたMの言葉ではなかった。今にして思えばこれは、彼女の悲痛な叫びだった。もはやこれは彼女の心の呪縛だろう。僕はこのとき、本当に彼女をファンから奪い、彼女をただのオンナとして扱い、呪縛を解き放ってあげたいと思った。でも、そのためには、どうしても必要なことがあった。しかしそれが満たされることは永遠にない…。僕は彼女の想いのすべてを約束通り受け止めた。次は彼女の番だ。それは、この僕の想いを彼女が受け止めることだけにとどまらない、彼女が僕の心に触れることを望まなければならない。彼女は僕の心に踏み込んでくるか? いや彼女がそうしないことはわかっていた。SMでも恋愛でも、本来ならそれが男と女のルールだ。それが双方向のコミュニケーション。しかし彼女にとって、僕はまだ迷いの森のレンジャーでしかなかった。



■LONG GOODBYE


彼女とはその後も話す機会があった。突然、パーティチャットに現れ、常連と話してたり、ふたりで会話を楽しんだり。彼女の言葉は、いつも、甘さと切なさが感じられ、その度に僕の心は揺れる。そして彼女は自分のことを書かれたこのブログを毎日、何回も何回も訪れてては、そのMとしての贖罪への飢えを凌いでいる。その行為が僕にはあまりにも切なかった。


聖子: おまんこの毛、昨日剃り落としました。お風呂で…
尚人: 見せてくれませんか? そのオマンコ
聖子: 来週からのライブ、つるつるで立ちます。
尚人: 剃ったところに ルージュで 尚人 って書いて歌ってください
聖子: はい、お望みなら
尚人: 望んでます・・・ もっともっと いっぱい 聖子に望んでいることがあります。命令のほうがいいですか?
聖子: 諭すように…
尚人: 聖子は僕だけのM奴隷でいいんです。 悩んだときは僕がそれを望んでいることを思い出しなさい。 解ったかい?
聖子: はい
尚人:  つるつるのオマンコにルージュで尚人と書いて唄いなさい。そして、その幸せを今感じなさい。
聖子: はい
尚人: それで 幸せを感じる かわいいM奴隷の聖子になりなさい
聖子: はい、パンツ脱いで、みんなの前に行きたい…
尚人: 僕のかわいいM奴隷の聖子
聖子: はい、尚人様。尚人様のM奴隷です。

そして最後はいつも、彼女は僕に懇願する。

「今、胸をはだけます。乳首におやすみのキスを…」

僕は応える。

「聖子を後ろから抱きしめているよ。首から胸へ唇をそっと降ろしている。指で乳首を挟んで、聖子を僕の方へ振り向かせて乳首にキスを…。その後、ちょっと甘噛み…。おやすみ…聖子」

「おやすみなさい」

それがいつものやりとりとなった。
それでも、僕の中で聖子との別れの予感は消えない…。お休みの前のこんな甘い会話にもどこか哀しさがつきまとう。僕は彼女の望む言葉を語っているだけ。仮初めの主従関係。彼女は僕に触れてこない。僕が感じていた哀しさは彼女の哀しさであると同時に、そんな僕の心そのものだった。それでも、いや、だからこそ僕は再び言葉を探すのだ。残された時間の中で僕が彼女にできることを探している。

僕は彼女の心に優しく、甘く、そして鋭く触れる。でも彼女が僕の…、この尚人という人間の心に触れてくることはない。それができるのなら、彼女はここまで悩まない人生を歩めただろうし、あの哀しいカレット(顔文字)はなかっただろう…。それでもいい。必要とされているのなら…。


僕は先日、彼女がライブを予定している場所に足を運んだ。そしてそのステージを眺めながら、そこで唄う彼女を想像する。

そこには約束通りきれいに剃毛された秘部を潜めながら彼女が唄っているはずだ。そのつるつるのビーナスの丘には“尚人”とルージュで書かれているだろうか? (ふっ、さすがにあれはリップサービスだよな…)そんな風に妄想を中断しようとすると、

「本当です。見てください」

と言って歌を唄うのをやめて彼女は僕を見つめる。ステージに呼ばれた僕は、彼女のステージ衣装を脱がし、彼女の裸体を観客に見せつける。そして彼女は自分の想いのまま、観客席でその贖罪としての露出と奉仕を行うのだ。僕の命令として…。


僕は彼女とこの場で妄想を共有したかった。たとえ、この空間で彼女と同じ時を過ごせなくても…。そのために僕はこの風景を心に焼き付けた。この原稿を読めば、たぶん、この僕の妄想を彼女は共有してくれるはずだ。


そして、僕は…。
言葉を見つけた。

だから僕は不遜を通り越して、滑稽ですらある言葉を最後に聖子へ残してこの項を終えようと思う。

聖子・・・。大丈夫。僕は待たない。待っていない。だから安心してここを去るときが来たら出て行けばいい。ここはSMという名の迷いの森。貴女にふさわしい導き手が現れ貴女が幸せになることを願っている。

それでも、もしまたここへ聖子が来るようなことがあったなら、そのときは、……聖子。すべてを捨てなさい。僕の前ではおまえはただのオンナだ。過去も現在も、未来も捨てて、ただのオンナになって僕のM奴隷として僕だけに仕えなさい。



この原稿のすべては、歌手●●●●●●●に捧ぐ。

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| | 2012/03/21/Wed 18:49 [編集]
さ●●さま コメントありがとう
おひさしぶり。コメントありがとう…。彼女が今後どうしていくのか…僕にはわかりませんが、幸せになって欲しいですね。僕は自分と関わりのあったM女性にはみんなにそう思います。だから、僕はただ、ここにいる…。待つでもなく、忘れるでもなく、ただ此処にいます。それだけが今の僕に出来ること…、そんな風に考えています。
尚人 | URL | 2012/03/21/Wed 19:46 [編集]
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